光原伸「アウターゾーン@」(1991年7月15日第1刷・1993年2月15日第11刷発行)
現実世界の外側にある世界…
その世界では現実を超えたあらゆる事が起こる
案内者(ストーカー)は謎の美少女「ミザリィ」
セピア色の扉の向こうに、アウター・ゾーンに囚われた人々のドラマが始まる…
・「第1話 ママと悪魔」
「ひろしの母親は、新興宗教の狂信者。
二か月前、父親がマンションから転落死してから、母親の虐待はひどくなるばかり。
隣に住む、保母のゆうこは、子供がないこともあり、ひろしを親身になって心配する。
ひろしは狂信的な母親のせいで、学校でも孤立しており、彼女は母親に抗議するが、逆に、子供がないことを責められる。
その夜、母親の夢の中にミザリィが現れ、「人間に憑りついた悪魔を追い払える」棒を渡すのだが…」
・「第2話 幸運の首」
「孤児として施設で暮らし、今はピザ屋の店員の青年、ラリィ。
彼は一攫千金を夢見て、週末にはカジノに入りびたる。
ある日、彼はミザリィの店で、幸運のお守りを手に入れる。
それは、強力な霊力を持った呪術師の干し首であった。
干し首は青年にテレパシーで話しかけ、自分には「賭けの結果を当てる能力」があると告げる。
実際、干し首の予想通りの結果が出るが、その能力は一人につき三回までしか使えなかった。
最後のチャンスをでかく張るため、ラリィは高利貸しのもとに訪れる。
そこで、恋人を人質に預け、ラリィはカジノに向かうのだが…」
・「第3話 占いピエロ」
「麻紀の友人「りま」は、占い大好き女の子。
何事も占いで判断し、そのせいか、彼氏もできず。
放課後、いつものように、二人は地下街の占いの店に向かう。
人が混みあっているので、人気の少ない地下二階に降りると、そこには新しく「占いピエロ」という機械が設置されていた。
りまはその機械を試してみると、その占いと同じことが起きる。
翌日、再度その機械で運勢を占うと、またもや、占い通りに危険な目にあう。
不安に駆られた、りまは学校を早退して、占いピエロのところに向かう。
彼女を心配して、麻紀が駆けつけると…」
・「第4話 真夜中の獲物」
「満月の夜、その衝動の高まりを抑えきれなくなった時、男は真夜中の都会に出かける。
高い車につられて、見知らぬ男の車に乗り込んでくる女が、彼の獲物…。
今夜も、獲物を一人、乗せ、彼は別荘に向かう。
別荘で、彼女が見たものとは…?
そして、「獲物」の運命は…?」
・「第5話 あの日から…」
「江藤明は、暴力団の下っ端。
彼はあるマンションで、敵対する組織のボスの殺害に成功。
だが、腹部に銃弾を受け、ミザリィの運転するタクシーに乗り込む。
病院に向かう中、彼は、薄れゆく意識の中で、死にたくないと願う。
タクシーが着き、彼が外へ出ると、そこは彼が小学校時代を過ごした町であった。
しかも、時代は、約15年前の1971年。
そこで、彼は、過去の自分と巡り合う…」
・「第6話 呪いの人形を追え!!」
「父親が典子に買ってきた、ニューギニア土産は、呪いの人形であった。
とは言え、観光客用の民芸品であり、典子は戯れに人形の中に自分の髪の毛を入れる。
だが、その人形は本物であった。
弟の知基が人形を外に持ち出してしまい、典子の身体に様々な異変が現れる。
家族総出で、呪いの人形の行方を追うのだが…」
(「週刊少年ジャンプ」1991年14号〜19号)
・「リボルバー・クイーン」(1987年「サマースペシャル」掲載/光原伸先生のデビュー作)
「ラスベガス。
父親の借金を返そうとして、カジノで一文無しとなった青年。
彼が自殺を図ろうとした時、カジノのオーナーから一攫千金の話が持ち込まれる。
それはオーナーとその友人達が見守る前で、ロシアン・ルーレット対決をするというものであった。
彼の相手は「拳銃の女王(リボルバー・クイーン)」。彼女はこの勝負を九回も勝ち進んできた強者であった。
二人の命を賭けた勝負の行方は…?」
袖に「この本を亡きロッド・サーリング氏に捧げる」と述べられているように、海外の怪奇オムニバス・ドラマ「ミステリー・ゾーン(原題は「TWILIGHT ZONE」)に影響を受け、漫画版「ミステリー・ゾーン」を目指した作品です。(作者は「世にも奇妙な物語」の影響は否定しております。ホラーやSF、特撮について深い知識を作者は持ち合わせておりますので、その言葉に偽りはないと思います。)
単行本の解説でも熱く語っているように、作者の「愛」は本物で、四年に及ぶ長期連載のヒット作となりました。
やはり、週刊連載はしんどかったようで、ストーリーの質は実際のところ、まちまちのところはありますが、それでも、現在読んでも十分に面白く、「名作」と断言できる内容であります。
んで、やっぱ、ミザリィ、いいよね!(当初から、セクシー・キャラだったことに今更ながら気が付きました。)
黒井ミサまでとは言いませんが、怪奇マンガ界屈指の美少女キャラだと私は信じております。
2018年8月3日/2019年1月2日 ページ作成・執筆