光原伸「アウターゾーンC」(1992年8月9日第一刷発行)
・「第19話 魔神の手」
「若くして、古書店を営む高崎。
彼の店に、大学時代の友人、加藤が訪れる。
加藤は高崎に、外国で手に入れた「魔神の手」を買ってくれと頼みこむ。
この「魔神の手」は三つまで願い事を叶えてくれるが、願いをかけた者だけでなく、周囲の者にも災いをもたらすものであった…」
・「第20話 殺したのは誰?」
「大学に入り、マンションで一人暮らしを始めた高梨由美。
ある日、彼女が友人の理沙に連れられて、占い師(ミザリー)のところへ行く。
ミザリーは彼女に「和樹」という彼氏ができると告げ、以来、由美は和樹について想像を膨らませていく。
しかし、和樹に会えるかもと思い、参加したコンパで、他の男に乱暴されそうになり、泣く泣く帰宅。
翌日、その男が刺殺死体で発見され、由美に疑いがかかる。
更には、取り調べの際に由美を厳しく問い詰めた刑事も死体となって発見される。
自分に関わった人物が二人も殺され、由美は自分が二重人格者ではないかと疑い始めるのだが…」
・「第21話 人面瘡」
「貧弱な記憶力に悩む中学生。
ある日、彼は「頭の良くなるアイテム」の広告に惹かれ、アンティーク・ショップに入る。
そこで、彼はミザリーから、ある妖術師の身体にできた「人面瘡」を勧められる。
これを身体につけると、本人の代わりに考えてくれるらしい。
一週間のレンタル品で、効果がなかったら、代金はいらないとのことで、彼は「人面瘡」を家に持ち帰り、首元に付ける。
すると、テストの時、自然に答えが頭に浮かび、全て満点。
彼は、一週間の期限の約束を破り、「人面瘡」をつけたまま、入試に臨むのだが…」
・「第22話 本心」
「和也は、ミザリーを目当てに、アンティーク・ショップに通う。
彼は、由香という女の子が好きだったが、相手にその気がないことがわかり、失恋のやるせなさをミザリーで紛らわそうとしていた。
彼の心を見抜いたミザリーは、和也をデートに誘う。
その夜、由香のもとに明日、和也がデートする情報をリークする電話がかかる。
彼女も和也のことが好きであったが、彼に対して素直になれず、素っ気ない態度を取っていた。
翌日、由香は、デート中の和也とミザリーを尾行する。
だが、ある時、彼女はミザリーが鏡に映らないことに気付く…」
・「第23・24話 タイムスケープ(前編・後編)」
「近未来、「大佐」の治める国は、時空移送機(タイムマシン)を兵器として使用し、全世界を支配していた。
ある時、大佐の命を狙う女スパイが捕らえられる。
タイムマシンの発明者、キリシマ博士は彼女を助け、タイムマシンで過去に行き、過去の自分を暗殺するよう頼む。
タイム・ポッドで彼女は半世紀前に飛ぶが、若き日の博士を殺害する直前に、負った傷のため、ダウン。
三日後、彼女が病院で目を覚ました時、彼女は記憶喪失にかかっていた…」
・「第25話 消えた球(ボール)」
「野球部員、有山陽一は、どこからか飛んできたボールで左側の額を打つ。
以来、傷を押さえると、人の頭上にボール状のものを視るようになる。
ボールは青や赤があり、大きさも個人差があるが、このボールの正体とは…?」
・「第26話 デス・フライト」
「ある会社の創立百周年として、機上パーティに招かれた人々。
だが、これには別の目的があった。
一か月前、ある飛行機のファースト・クラスに乗っていた、社長の娘が変死。
パーティの参加者は同じファースト・クラスに乗り合わせた人々で、社長はこの中に吸血鬼がいると信じていたのである。
社長は彼らを椅子に縛り付け、吸血鬼かどうかのテストをしていくが…」
「週刊少年ジャンプ 1992年9号〜16号」掲載分収録
個人的には、作者が「得意なパターン」と解説している「デス・フライト」の出来が傑出していると思います。
「遊星からの物体X」等の影響があるにしても、自家薬籠中の物にしているのは流石です。
2018年7月8・9日 ページ作成・執筆