佐伯かよの「アリスの13時間」(1978年12月10日初版発行)

 収録作品

・「アリスの13時間」(1977年「りぼん」4月号)
「サンフランシスコ空港発、シドニー空港行き飛行機が落雷にて、ジョンストン沖に墜落。
 生存者は
 シドニーの伯母の家に遊びに行く少女、アリス・ジョフリン
 工科大学の学生、マイク・ハーレー
 黒人の少佐と、その部下の自己中心的な軍曹
 繊維会社の社長
 乳児をつれた未亡人
 の七人のみ。
 彼らはサブ島という無人島へとたどり着くが、そこではA国が原爆実験を行おうとしていた。
 残された時間は13時間。
 彼らは島からの脱出の方法を探るのだが…」

・「黒い聖夜」(1977年「りぼん」12月号)(注1)
「イギリス。フォーサイト家。
 フォーサイト家の当主、ジェームズ・フォーサイトは一代で財を築き上げた、病院の経営者。
 彼は、孫娘のセシリアを溺愛していた。
 セシリアの父親は、彼女が幼い頃、家を出て、母親も早くに亡くなり、彼女は祖父の愛情をたっぷり受けて、育つ。
 セシリアの17歳の誕生日(クリスマス・イブ)、邸では豪華なパーティが開かれようとしていたが、ジェームズ・フォーサイトが研究室で死体となって発見される。
 彼は癌だったということで、警察は毒物による自殺と断定。
 しかし、セシリアの従兄のオスカーは、研究室からテープレコーダーを発見する。
 それは、祖父が、誕生日プレゼントとして、吹き込んでいたものであった。
 セシリア、彼女の家庭教師のシドニー、オスカーの三人がテープを聞くと、最後の方に「き、きみは…!!」という声と、窓ガラスを五回ノックする音が録音されていた。
 三人は、ジェームズ・フォーサイトの死が自殺ではないと確信するが、その夜、オスカーが池で凍死する。
 しかも、テープレコーダーの音声は、オスカーにより消去されていた。
 シドニーは、オスカーの死に疑問を抱き、一人、セシリアを守る決意をする。
 だが、意外なところから、セシリアに魔の手が伸びていた。
 時計台の鐘が五時を告げる時、彼女は心臓発作で亡くなってしまうのだが…」

・「割れたカップ」(1974年「りぼん」4月号)
「秀才ばかりが集まる青蘭学園。
 一年生の的場美也子は、美人であったが、成績はどん底で、クラスの孤立する。
 彼女は優秀な父親や兄姉と同じように、エリートコースを進むべく、この学園に裏口入学させられたのであった。
 ただ一人トップクラスの成績の片岡葉子だけは、美也子に関心を持ち、親切にする。
 ある夜、散歩に出かけた美也子は、事故か自殺か、歩道橋の上から転落する。
 走行中の車のボンネットに落ち、頭からフロントガスに突っ込んだものの、幸い、傷は軽く、脳波にも異常は見られない。
 この事故以来、美也子は記憶力や思考力は冴え始め、成績はぐんぐん上昇する。
 だが、美也子は、原因不明の頭痛に度々襲われるようになり…」

・注1
 リボン・マスコット・コミックスの「黒い聖夜」では、p92の下部に「はじめての90ページ はじめてのヨーロッパを前に 悪戦苦闘の図」というイラストが載っております。
 恐らく、「黒い聖夜」の執筆時を描いたものでしょう。
 それにしても、佐伯かよの先生の旦那様の新谷かおる先生は、頭の鉢巻きがトレードマークなんでしょうか?

・備考
 カバー痛み(テープ補修、液シミ、背表紙色褪せ)。前後の見開きにテープ痕あり。本編、最初の方の下側、濡れ痕。

2020年9月8日 ページ作成・執筆

集英社・リストに戻る

メインページに戻る