ひたか良「トラブル・コレクション 〜環の事件メモ〜」
(1988年3月30日第1刷・6月15日第2刷発行)

 伊藤環はスポーツ万能の少女。
 彼女のおじの足木壮介は、元・刑事で、しがない探偵事務所をやっている。
 おじの家庭は父子家庭で、勇介という保育園に通う息子がいたが、彼には何やら特殊な能力があるようで…。
 さて、この三人が巻き込まれる怪事件とは…?

・「第一話」(「ザ・マーガレット」1987年22号?)
「環のクラスに桑田といういじめられっ子がいた。
 いつもおどおどして、自己主張というものを全くしないため、いじめっ子達は増長する。
 だが、彼をいじめていた生徒達が相次いで事故死する。
 学校では、数年前、いじめを苦にして自殺した生徒が幽霊となって学校をさまよっていると噂となる。
 更に、ある日の放課後、環達は校舎一面に悪魔(山羊)の姿が投影されているのを目にする。
 先生は噂を否定するが、桑田は「悪魔のしわざ」と怯え、教室をとび出す。
 その夜、環、彼女のボーイフレンドの中山ヒロシ、壮介と勇介は、悪魔退治のために、学校に忍び込む。
 すると、視聴覚室の前に、いじめっ子が二人、倒れていて、そのそばに桑田が膝を抱いて、しゃがみ込んでいた。
 視聴覚室のパソコンは勝手に動いていて、勇介は異変に気付くのだが…」

・「第二話」(「ザ・マーガレット」1987年28・29号?)
「環とヒロシは、バスケット部員の小松崎久のお見舞いに行く。
 彼は盲腸に腹膜炎を併発し、手術をしたばかりであったが、抜糸も済んでないのに、元気ハツラツ。
 しかし、翌日、容態が急変し、亡くなったと知らされる。
 学校の帰り道、環とヒロシが病院の前を通りかかると、小松崎の姿が一瞬だけ見える。
 また、葬式で見た小松崎の死体には、あるはずの傷がなかった。
 壮介によると、ここ数か月の間、その病院では20代以下の若者の死亡率が妙に高いらしい。
 しかも、死亡した若者は、どんなに容態が悪くても、手術後には驚くような回復をしていた。
 他にもいろいろと病院が怪しい点はあるものの、証拠がなくてはどうしようもない。
 そこで、環・ヒロシ・勇介の三人は病院に忍び込むのだが…」

・「第三話」(「ザ・マーガレット」1987年30〜33号?)
「環・ヒロシ・勇介は、飛行機が墜落する幻を何度も視る。
 その飛行機の機体番号は「NA2935」で、しかも、環達は近々、修学旅行で飛行機に乗る予定であった。
 修学旅行当日、長崎行きの飛行機は別の機体番号で安心するが、環の父親と壮介が乗った飛行機がドンピシャリ。
 環は飛行場にまで出て、飛行機を止めようとするも、間に合わない。
 更に、整備員に化けたテロリストに彼女は捕まってしまう。
 テロリスト達は、飛行機に爆弾を仕掛けていた。
 どうにか逃げ出したものの、テロリスト達には逃げられ、飛行機が着陸できる最寄りの空港はない。
 環は必死になってテロリスト達を追うのだが…」

 映画の影響がダイレクトに感じられ、懐かしかったです。
 第一話は「デビルスピーク」(でも、この作品のパソコン・サタン、あまり強くないです…)、第3話は「ジャガーノート」でしょう。
 マッド・サイエンティスト(かつ、病院ときたらモチロン、※※薬!!)が出てくる第二話が、いい塩梅にゲテモノで、楽しめました。

2021年8月16日 ページ作成・執筆

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