諸星大二郎「妖怪ハンター」
(1978年7月30日初版発行/1986年7月25日第12刷発行)

 収録作品

「妖怪ハンター」
・「第一話 黒い探求者」
「日本考古学界を追放された、異端の考古学者、稗田礼二郎。
 彼は九州のF県に手紙で呼び出される。
 彼を呼び出したのは少年で、彼の父親は郷土史家だった。
 その父が、比留子(ひるこ)古墳で首なし死体で発見されたと言う。
 稗田礼二郎は古墳の調査に乗り出すが…」

・「第二話 赤いくちびる」
「秀才だが、大人しく、不良グループの格好の標的である月島令子。
 彼女は放課後、不良グループによって、ある小さなお堂に閉じ込められる。
 が、翌日、登校した彼女はけばけばしく化粧をし、態度が以前とは全く違っていた。
 学校で煙草をふかし、先生も彼女の言葉に否応なく従わざるを得ない。
 そして、次々起こる、不良グループの怪死事件…。
 令子を見守っていた男子学生は、稗田礼二郎と出会う。
 どうやら令子が閉じ込められた、お堂の中にある、朱唇観音に謎を解く鍵があるようだが…」

・「第三話 生命の木」
「東北の山奥にある隠れキリシタンの部落。部落は近親交配を繰り返し、皆、ほとんど白痴であった。
 部落の丘で殺人事件が起きるが、死体は消えてしまう。
 隠れキリシタンに調査に来ていた稗田礼二郎の見る奇蹟とは…」

・「第四話 闇の中の仮面の顔」
「ある洞窟で見つかった、古代の骸骨二体。
 一体は地面に横たわり、額に穴が空いていた。その前に、もう一体は崩れ折れたようにあり、頭蓋骨の前には仮面が転がっていた。
 礼二郎が外に出ると、見知らぬ男が話しかけてきて、仮面をつけた骸骨がなかったか尋ねる。
 その男が話す、世にも奇怪な物語とは…」

・「第五話 死人返り」
「少年の母親は、父親の死後、様子がおかしくなった。
 父親の遺骨を使って、何かしている。そして、家には何者かの気配が絶えずする。
 ある荒れた天気の夜、父親の部屋に、父親そっくりの男性がいた。
 母親は父親の弟だと少年に言うが、どう見ても父親にしか見えない。しかし、とても生きた人間の様子をしていない。
 時を同じくして、町で墓荒らしが続発、そして、以前に亡くなったはずの人々が町を徘徊し始める…」

「生物都市」(第七回手塚賞入選)
「198X年、初夏。
 惑星イオから戻ってきた宇宙船には異変が起こっていた。
 人間も機械も皆、溶け合い、一つのものになっていたのだ。
 この「症状」は人工物を介して、どんどん広がっていく…」

平成27年2月4日 ページ作成・執筆

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