石森章太郎「アガルタ」(1984年9月20日第1刷発行)

「橘レミは、UFOが大好きな娘。
 彼女は、黒木シュンという青年と運命の出会いをする。
 黒木シュンは、石森章太郎先生のアシスタントになるため、秋田県鹿角市から上京してきた。
 彼は、SF漫画を志しており、UFOの話を通じて、レミと急接近する。
 だが、彼を家に招いて以来、夜中に二度、彼女の部屋でポルターガイスト現象が起きる。
 更に、二回目のポルターガイスト現象の時、敷地内から去るシュンの姿が目撃される。
 レミは、シュンが怪奇現象から彼女を守ろうとしたと考え、彼に、彼の秘密を教えてくれるよう頼む。
 彼は、レミの安全のため、秘密を明かすことを拒むが、どうやら、彼は何かの「一族」に属し、「村の掟」に縛られているらしい。
 その夜、レミは原因不明の高熱を出し、奇妙な幻覚に襲われる。
 翌日、熱が引いたレミはシュンに会おうとするが、彼は、書置きを残して、石森プロを去っていた。
 レミは、シュンの履歴書を頼りに、彼の故郷の那須加(なすか)村を訪れる。
 そこで、彼と再会するのだが、彼の一族の驚くべき真実が明らかになっていく。
 シュンは、レミを守りながら、村からの脱出を図るのだが…」

 オカルト・ブームの真っ最中の1974年頃に、当初は「星の伝説 アガルタ」のタイトルで、「週刊少女コミック」に掲載された作品であります。(注1)
 「恐怖新聞」のように随所随所にオカルト的知識を散りばめながらも、ヒロインに石森先生の美少女キャラを配し、奇想天外(でも、ちゃんとスジは通ってます)なSFエンターテイメントに仕立て上げた手腕は流石の一言であります。
 作中には石森章太郎先生ご自身が出ておりますので、石森ファンの方には見所の多い作品のようです(が、私は詳しくありませんので、深い話はできかねます、申し訳ない…)。
 時代を感じされるところもあるものの、完成度は高い作品だと思います。

・注1
 サンコミックスでの単行本の方が若干、雑誌掲載分に忠実かも?

2020年4月15日 ページ作成・執筆
2021年4月6日 加筆訂正

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