佐伊村司・原作/高橋構造・作画
「神々の悪魔@」(2019年5月1日初版発行)
「神々の悪魔A」(2019年9月10日初版発行)

 単行本@
・「Section.1 悪魔を見た」
 雨宮蓮次(23歳/無職)は風俗店で働くトリ子に入れ込み、結婚するつもりであった。
 だが、トリ子の様子がどうもおかしい。
 彼は彼女と話をしようと、彼女のマンションに向かう途中、トリ子が猫を踏み殺すところを目にする。
 その時のトリ子は人間とは思えない、奇怪な形相であった。
 その場から逃げ出した彼が人気のない夜道を歩いていると、十字架を構えた神父と出会う。
 彼、御田蔵神父は「エクソシスト」であった…。
・「Section.2 変貌」
 蓮次は御田蔵神父をトリ子の住むマンションに案内する。
 神父を外に待たせ、彼はトリ子の部屋を訪れる。
 真っ暗な部屋の奥、灯りを付けると、トリ子がいた。
 彼女は自分が最近、おかしく、急に意識がなくなったり、自分が自分でなくなると打ち明ける。
 帰ってと頼む彼女に対し、彼は彼女に婚約指輪を見せ、それを指にはめる。
 しかし、彼女が顔を上げると…。
・「Section.3 慈愛」
 行方をくらましたトリ子を救うため、蓮次は御田蔵神父に仕えるも、神父が彼にさせるのは「祈る」ことだけ。
 こうしている間にも、トリ子の肉体は悪魔に支配され、魂が消えてしまうかと思うと、蓮次は気が気でない。
 だが、神父は蓮次が「神を信じきれていない」と悪魔祓いに連れて行くのを拒否する。
 ある夜、蓮次は神父が悪魔祓いに出かけた家を訪ねる。
 その家の二階では、幼い女児をベッドに縛り付けて、神父が悪魔祓いをしていた。
 蓮次の懇願に負け、神父は彼を悪魔祓いに参加させる…。
・「Section.4 悪魔を祓え」
 蓮次の役目は神父の背後で、聖書を朗読すること。
 だが、本物の悪魔憑きを目の前にして、蓮次はきりきり舞い。
 悪魔は蓮次の弱点を巧みについてきて、彼をしきりに動揺させる。
 更に、悪魔は、トリ子の居場所を教えてやろうかと彼に問いかける…。
・「Section.5 凶兆」
「トリ子に異変が起こる一週間前に起こったJR京崎線無差別殺傷事件。
 その唯一の生き残りの女性は氷室という美学生であった。
 彼女は致命的な傷を負いながらも、奇跡的に回復する。
 警察病院の彼女に、殺人犯を追う水嶋という刑事が訪ねてくるのだが…。
 一方、御田蔵神父と蓮次のコンビは栄太という少年の悪魔祓いをしていた。
 どうにか両親を説得し、これからという時に、通報を受けて警察官がやって来て…。

 単行本A
・「Section.6 懺悔」
 殺人容疑をかけられた上に、母親には泣かれ、蓮次は真面目に働くこととなる。
 だが、トリ子に対する想いは日に日に募るばかり。
 友人の亮と夜の公園で話しをするうちに、彼は本心に気づき、自分を貫くことを決意する。
 その頃、御田蔵神父の知り合いの菊川神父は廃墟のビルに、地獄の七王の一人、ベリアルの印章を突き止めていた…。
・「Section.7 悪霊が潜む町」
 不可解な凶悪事件の数々。
 水嶋刑事は考えを巡らしながら、御田蔵神父の「神なき土地には悪魔が蔓延る」という言葉を思い出していた。
 その夜、女子高生の草野マホは自宅へと重い足取りで向かう。
 彼女は理由はわからないけでも家がイヤで、帰りたくはないが、他に行くところがない。
 彼女が地下横断歩を降りようとすると、通りかかった蓮次が彼女の手を掴んで、引き留める。
 その先は危ないと彼は警告するが、マホは思わず叫び声をあげる。
 そこに水嶋刑事が現れて…。
・「Section.8 真帆の告解」
 マホの家のある赤羽中央団地。
 そこでは、悪魔に憑かれた老人が住人と騒ぎを起こしていた。
 老人が飛び降り自殺をした後、住人は悪魔に次々ととり憑かれ、三人に襲いかかる。
 蓮次とマホはある部屋に逃げ込むが、電話もスマホも使えない。
 マホは一週間前にスマホをなくしたと話すが、この棟では自殺者が相次いでおり、皆、何かをなくしていた。
 自殺者の部屋番号は「203」「303」「403」で、「503」はマホの部屋。
 蓮次は「悪魔崇拝者」の存在に気づくのが、その正体は…。
・「Section.9 悪魔崇拝」
 蓮次とマホは水嶋刑事と合流し、悪魔崇拝者のいる部屋にやって来る。
 だが、身体が不自由なはずなのに、住人の姿はない。
 蓮次は屋上と推理し、まほと共に向かう。
 そこでは、魔法陣の上に悪魔と契約した者がいた。
 彼は契約完了のため、マホの命を狙う…。
・「Section.10 黙示録」
 倒壊するマンション。
 蓮次はマホを助けようとするも、彼女は意識を失ってしまう。
 彼は神に救うよう命令するが、床は避け、彼女は向こう側に…。
 二人の運命は…。

 腹の立つ作品です。
 内容は「エクソシスト」を真正面から扱ったオカルト・ホラーで、かなり面白いです。
 黒田みのるの漫画ばりに外国の悪魔が現われ、悪魔に憑かれた人々はほとんどゾンビで、なかなかのテンションの高さ。
 でも、打ち切りのせいか、二巻以降、続刊がありません!!
 これから!!という時にぶつ切りに終わってしまい、欲求不満になること請け合いです。
 いろいろいと事情があるとは思いますが、こういうこと(高橋構造「ガニメデ 〜殺戮の島〜@」)を繰り返すと、読者、離れちゃいますよ。

2022年12月2〜4日 ページ作成・執筆

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