鳴神俊「悪魔のアイドル」(フィリップ・バーン・ホーン・原作/1978年7月1日初版発行)

「人里離れた、山間の盆地に位置するマリー女学院。
 そこは、淑女(レディー)を育てるための伝統ある寄宿学校であり、徹底した規律に縛られた「女の園」であった。
 その女学院にて、女生徒の失踪事件が相次ぐ。
 スコットランドヤードのカミングス警部が乗り出すものの、捜査は遅遅として進まない。
 やがて、森の中の池で、失踪した女生徒の死体が発見される。
 死体はそれぞれ両足、両腕、頭が持ち去られていた。
 事件が女学院を震撼させている頃、イザベルは、校長の息子、ピーターと出会う。
 ピーターは彼女を、花畑の向こうにある自分の家へと誘うのだが…」

 原作がフィリップ・バーン・ホーン(伊/1843〜1904)とのことですが、この作家については確認が取れておりません。
 本書にも詳しい経歴はわからないとされ、作品自体が翻訳されていないとのことです。
 個人的な考えでは、「象牙色のアイドル」(1969/西?/未見)という映画をもとにしたのではないかと推測しております。(注1)
 ネットで調べた感じでは、このマンガと「象牙色のアイドル」はストーリーが極似しております。(注2)
 何はともあれ、映画をチェックするのが一番なのですが、この映画のDVD、2006年にひっそりと発売され、現在、見事なプレミア価格がついております。
 何かの機会に再版されるのを待ちましょう。
 ちなみに、この「象牙色のアイドル」は、同じく女子寮で「人体ジグソーパズル」が展開する「ブラッド・ピーセス 悪魔のチェーンソー」の原型と言われております。
 見比べてみるのも、一興かもしれませんね。

 最後に、この本の後ろの袖には、鳴神俊(実は、村祖俊一先生)のお写真が載っております。
 ちょっと珍しいかもしれません。

・注1
 昔読んだホラー映画を扱った本には「象牙色の貴婦人」もしくは「象牙色のマドンナ」のタイトルで載っていたような記憶があります。
 気になって当時、あれこれ本を調べてみたのですが、結局、詳細はわからないままでありました。(二十年以上前の話です。)
 そういう個人的に謎な映画がまだまだたくさんあります。
 ネットで調べれば一発なのでしょうか、それはそれで味気ないかも…と思ったりもします。

・注2
 wikipediaにて、英語のページでこの映画を調べましたら、ストーリーは「Juan Tebar」という人物になってました。
 だったら、フィリップ・バーン・ホーンという名はどっから出たのか…謎です…。

2017年1月4日 ページ作成・執筆

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