三原一晃「呪いの影法師」(1983年7月10日初版発行)
「夏休み、春美とナオミの姉妹は、叔父の住む田舎を訪ねる。
二人の父親は自動車事故で長く入院した後、亡くなり、母親もその後、身体を崩して、入院生活を送っていた。
産子寺の住職である叔父夫婦とその息子、勝は春美達を歓待するが、二人が来てから、寺では奇怪なことが頻発する。
その中心にいるのはまだ幼いナオミであった。
彼女はカラスや蛾を手なずけたり、裏の墓地のお地蔵さんと一人で遊んだりと奇妙な振る舞いをする。
ある日、ふとしたことから、叔父の妻は、ナオミの足裏にある「怨」のアザに気付く。
実は、千田家に伝わる古文書に、身体に「怨」の文字がある者は抹殺すべしと警告されていた。
叔父はナオミに憑りついている悪霊を供養させようとするも、一筋縄ではいかなじ、逆に自分の命が危険にさらされる。
悪霊の真意を知った叔父は、最後の手段として、「命がけの呪術」を行う。
それは「千田家に代々伝わる面を用いて卍の四隅に立ちて一心に祈る」というものであった。
悪霊との対決の結末や如何に…?」
美内すずえ先生「白い影法師」をもじったようなタイトルに、つのだじろう先生の怪奇マンガに出てくるような白装束の女幽霊の表紙のため、食指が動きませんでした。
ストーリーはイマイチ盛り上がりに欠け、構成にも若干、難があると思います。(千田家を呪う悪霊の因縁話をラストに持ってきたのが解せない。)
ですが、悪霊退散の儀式が一風変わっていて、興味深くありました。(注1)
元となった話はあるのでしょうか?
・注1
映画「来る!」を観た時、日本には日本独自の「エクソシスト」がたくさんいることに感心した思い出があります。
日本のホラーは海外でもファンが多いので、このあたりをうまく採り上げたら、ウケるのでは?
2019年5月23日 ページ作成・執筆