高橋構造
「ハイヤートライヴ 破滅の山脈@」(2022年2月10日初版発行)
「ハイヤートライヴ 破滅の山脈A」(2022年12月10日初版発行)
単行本@(「漫画ゴラクスペシャル」2021年4月〜10月配信分収録)
・「CHAPTER.1 発端」
北海道。
ある大学の山岳サークルが大雪山連峰に登る。
途中、御神木のある場所で二手に分かれるも、本条かおり・福園・米原の組は猛吹雪にあい、避難できる場所を探す。
すると、前方に今は使われていない気象観測所があった。
彼らは気象観測所に向かうも、入り口で男にここは立入禁止と門前払いをくらう。
どうにか中に入れたものの、観測所の中は銃で武装した男がおり、ものものしい雰囲気であった。
彼らのリーダーである春日井博士はこのふきんで事故があり、その調査だと言うのだが…。
・「CHAPTER.2 浸蝕」
気象観測所に第一捜索隊が戻ってくる。
彼らは熊の巣を探索した際、氷漬けの女性を発見していた。
ところが、帰還後、すぐに捜索隊の黒田の様子がおかしくなる。
彼の頭は半分に裂け、福園の頭を呑み込むと、二人は一体化。
暴れまわる怪物を捜索隊の村雨は銃で撃つのだが…。
・「CHAPTER.3 連鎖」
山岳サークルのもう一つの組、渡・清戸・岸森も嵐にあい、テントで待機していた。
そこに福園がやって来るが、彼は何があったのか覚えていないと話す。
とりあえず、彼らは気象観測所を目指すのだが…。
・「CHAPTER.4 迷走」
かおり達は拘束されるも、村雨の機転で武器を奪い、春日井博士の一味とにらみ合いになる。
しかし、スマホの入ったリュックは春日井たちの手にあり、更に、この吹雪では下山は困難なため、しばらくここに留まるしかない。
その時、観測所のドアを誰かが叩いて、助けを求める。
かおりは渡の声と気づき、ドアを開けようとするのだが…。
・「CHAPTER.5 霧屋」
第二捜索隊から行方不明の登山家、霧屋が発見されたと無線で連絡が入る。
捜索隊は霧屋に声をかけるが、霧屋は自分に近づかないよう警告する。
彼はもう既に人間ではなく、その姿は…。
そして、春日井たちは霧屋の姿を見て、興奮を抑えきれない。
彼らは霧屋の捕獲を相談するのだが…。
・「CHAPTER.6 惨死」
仲間割れによる混乱に乗じ、かおり・米原・渡・村雨の四人は気象観測所を脱出する。
しかし、スマホやリュックなしでは凍死するだけであった。
そこで、米原・村雨は御神木のある場所に向かい、かおりと渡は気象観測所にリュックを取りに戻ることとなる。
かおりと渡が気象観測所に忍び込むと、そこには…。
・「CHAPTER.7 通報」
第二捜索隊の生き残り(梶・富海・相原)は霧屋から逃げ、ある洞窟に逃げ込む。
そこは第一捜索隊が氷漬けの女性を発見した場所であった。
だが、既に女の姿はなく…。
一方、御神木の根元で米原・村雨は岸森を見つける。
彼女は毛布(?)にくるまり、眠り込んでいた。
村雨は彼女を怪物と疑い、猟銃を向ける…。
・「CHAPTER.8 女」
大雪山中腹。
救助要請を受け、巡査部長の奥島をリーダーとする一行が雪山を進んでいた。
すると、吹雪の中、彼らの目の前に裸の女性が立っている。
一人の男が毛布と温かい飲み物を持って行くが、その時、奥島はあることに気付く…。
単行本A(「漫画ゴラクスペシャル」2021年11月〜2022年8月配信分収録)
・「CHAPTER.9 共闘」
春日井博士はかおりと渡に協力し合おうと提案する。
かおりは感情的になって拒否するも、渡は生き延びることを優先しようと彼女を諭す。
その頃、救助隊は次々と怪物の餌食となっていた。
一人生き残った奥島は怪物化した部下にピッケルを叩きこむが…。
・「CHAPTER.10 元凶」
第二捜索隊の三人は気象観測所に向かう途中、怪物に挟まれてしまう。
猟友会の富海が前方の一匹に弾を打ち込んだ隙に、彼らは突破しようとするのだが…。
・「CHAPTER.11 逃走」
気象観測所ではかおり達は火炎瓶や斧といった武器を準備する。
防寒具や食料をまとめ出発しようとした時、第二捜索隊が気象観測所に戻ってくる。
第二捜索隊の梶は一刻も早く出発しようと言うのだが…。
・「CHAPTER.12 籠城」
時すでに遅く、気象観測所は幾体もの怪物に囲まれていた。
怪物と化した霧屋は圧倒的なパワーで鉄の扉を平気でぶち破り、長くはもたない。
退路を開くため、春日井は「オトリ」を使おうと提案するのだが…。
・「CHAPTER.13 感染」
霧屋の怪物の爪が壁を突き破り、かおりの右脇腹に刺さる。
傷は浅いが、傷口から感染しているのは明らかで、彼女は決断を迫られる。
彼女の決断は脇腹の肉を麻酔なしで切除することであった…。
・「CHAPTER.14 脱出」
気象観測所で火事が発生し、一刻も早く脱出せねばならない。
彼らは「オトリ」作戦を決行するが、かおりはただ一人、同行を拒否する。
何故なら…。
・「CHAPTER.15 雪中」
米原・岸森・村雨の三人は御神木の場所を離れ、下山しようとする。
その時、彼らは救助隊の奥島と出会う。
彼の背後には怪物化した部下がついて来ていた。
奥島は怪物の弱点を発見したと言うのだが…。
・「CHAPTER.16 遺体」
逃げる途中、米原たちは五体の遺体を発見する。
それが意味するものとは…?
その頃、かおりは人間としての意識がある間に…。
・「CHAPTER.17 合流」
渡・春日井の一行は御神木を目指すが、御神木に見えたものは怪物の塊であった。
彼らは戦うものの、エゴの剥き出しあいになり、犠牲者が増えていく。
銃声を聞き、米原たちは渡たちのもとに向かうのだが…。
・「CHAPTER.18 ガザニア」
圧倒的なパワーの怪物を前に、一行は窮地に陥る。
そこに現れたのが、本条かおりであった。
怪物の本当の弱点とは…?
彼らは生きて山を降りることができるのであろうか…?
内容は、ぶっちゃけ、「遊星からの物体X」です。
でも、個人的にはこの作品にかなり好感を持ってます。
というのも、「物体X」に対する愛が伝わってくるから。(俺も大好きだ!!)
作者としては、このテーマで是非とも描いてみたかったのではないでしょうか?
二巻しかないため、ストーリーに奥深さが欠けていることは否めないものの、モンスター描写は力入りまくりで、とことんやっております。
やっぱり、「物体X」で重要なのはそこで、映画版に対するリスペクトを感じさせます。
ただ、「高等種族(ハイヤートライヴ)」の「女王」についての説明は欲しかったものです…。
2025年4月29・30日 ページ作成・執筆