好美のぼる「妖怪一族」(1969年5月30日・1973年7月23日発行(注1))



 収録作品

・「蛇にしてやる」
「越後の里、加茂郷に三百年を経た農家があった。
 そろそろ寿命ということで、新築することとなるが、その夜、その家の次女、夕起子は何者かに起こされる。
 それは、この家に長年棲みついてきた蛇であった。
 蛇は、過去に三度夕起子の命を救ったことを持ち出して、家の壊すことに反対するよう、夕起子に強要する。
 そして、もしも家が新築することがあれば、家族全員を祟ると脅す。
 夕起子は家族に向かってしきりに家を壊さないようせがむが、蛇の警告があり、理由をどうしても言うことができない。
 そうこうするうちに工事はどんどん進められていき、蛇による祟りが家族に現れ始める。
 だが、工事を中断するわけにはいかず、村の和尚さんからもらった数珠を家のあちこちに飾り、家族も数珠を身から離さないようにして、崇りから免れる。
 そんなある日、古い家がいやで都会に出ていた長女の和美が東京から戻ってくるのだが…」

・「恐怖のブーツ」
「たか子が宇佐美靴店で入手したブーツ。
 このブーツは、店の娘、理沙が愛用していた遺品であった。
 ブーツを手に入れてから、たか子の周囲ではおかしなことが起こり始める。
 実は、理沙は、恋敵のつづみを始めとする四人組によって計画的に殺されたのであった。
 理沙の怨念の憑依したブーツは、四人組の中で中心であった、つづみのもとを訪れ、自白するよう夜毎迫る…」

 貸本マンガを二冊「蛇にしてやる」と「恐怖のブーツ」を一冊にまとめたものです。
 それにしても、気になるのは、冒頭の「妖怪は八百八怪といって無数にいるそうです」というお言葉。
 江戸の八百八町というのは耳にしたことがありますが、「八百八怪」というのは初耳です。

・注1
 このマンガ、二冊手もとにありますが、ちょっとだけ差異が見られます。
 それは最終頁(p228)の好美のぼる先生のイラストが違うこと。(古い版が横顔タイプ、新しい版がハッスル・タイプ)
 他にも違う部分はあったりするのでしょうか? 詳しい方の検証が待たれます。

2017年3月11日 ページ作成・執筆

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