高橋葉介「Uボート・レディ」(1985年11月5日初版発行)

 収録作品

・「Uボート・レディ」(1985年?「ウィングス」第6〜10号)
「T.姫は乗りこんだ」
 クロセは、貧相なUボートの艦長。
 彼は元・海上自衛隊の潜水艦乗りで、隊を辞めた後、サルベージ会社で働いていた時に、カリブ海でこのUボートを見つけたのであった。
 彼はこの船をこよなく愛するも、仕事はケチな密輸だけで、維持費に消える。
 そんな時、マフィアの内紛に巻き込まれた首領の息子を預かる仕事が舞い込む。
 だが、首領の息子は実は女の子で、Uボートはシージャックされてしまう…」
「U.アドルフ・ヒトラーの孫娘」
 少女の名はクララ。
 彼女の命令で向かった先には、一艘の船が待ち構えていた。
 クロセはその船に招かれ、クララの一味の正体を知る。
 彼らの目的は、クロセの船と腕を借りて、バミューダ海域にある小さな島に行くことであった。
 その島に隠されたものとは…?
「V.黄金のUボート」
 一行の乗ったUボートは島へと到着する。
 彼らは原住民と出会うのだが、その顔は…?
 また、島の中にも、Uボートが一艘あるが、その秘密とは…?
「W.海戦」
 クロセとクララは原住民に捕まって大ピンチ。
 部下達が助けに駆け付ける中、クロセのUボートは火が付けられ、島のUボートは逃亡を図る。
 クロセは単身、Uボートを追いかけるのだが…。

・「アン」(1985年?「少年ビッグコミック」増刊号)
「孤児のアンは、マシュウとマリラの夫婦にもらわれる。
 だが、孤児院のミンチン先生は不安で仕方がない。
 アンは今まで三度、養子にもらわれたが、もらわれた家ではペットや近親者がいなくなり、最後には養父母も行方不明となっていた。
 更に、記録によると、アンは男子と双子だったはずだが、いつの間にか男の子の方は孤児院から消えていた。
 アンの秘密とは…?」

・「テレパス」(1985年?「ウィングス」第24号)
@テレパスの娘は、街ですれ違う男性に「あなたが好きです」とメッセージを送るのだが…。
Aテレパスの青年が、能力を証明する為、彼女に「電話をかけてこい」と電話に向かって念ずるのだが…。
Bテレパスの少年。塾の帰り、駅のホームは彼一人。彼は夜空に向かって「宇宙人応答せよ」とテレパシーを送る…。

・「海妖」(「スコラ」第75号)
「ある船に、VIP待遇の中年の男性がいた。
 あまりに傍若無人な振る舞いで、船員に問うと、彼は他の客と同じ、乗客だという答えが返ってくる。
 特別待遇の理由とは…?」

・「漫画にならなかった没ストーリィ―覚え書きノート」(1985年?「ウィングス」第29号)
@貸し切りバス冥土行き
A屍食鬼(グール)と少女
B人面塔
C人面果
D火と風と水と土
E夢殺し

 「Uボート・レディ」、高橋葉介先生はドイツ軍・マニアなのでしょうか?
 「オデッサ・ファイル」は作中に出てきますが、アイラ・レヴィン「ブラジルから来た少年」の影響があるような、ないような…。
 「アン」「海妖」は高橋先生らしい怪奇幻想譚です。
 「テレパス」はイマイチでした…。第一話のラストが理解できませんでした。

2021年10月29・30日 ページ作成・執筆

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