御茶漬海苔「砂のテレビジョン」(1985年7月20日初版発行)

 収録作品

・「砂のテレビジョン」(描き下ろし)
「階上の老婆から格安の値段で手に入れた、中古テレビ。
 だが、朝になると、母親が、次には、娘がひどい貧血で倒れる。
 父親が夜、家族とテレビの様子を見守っていると…」

・「TH・1023」
「雪山の一軒家。
 少女は、逃亡中のケル人をかくまう。
 ケル人は、資源確保のため、人類により滅ぼされようとしていた。
 そこで、彼はケル星で使用される予定だった細菌兵器を盗み出したのである。
 少女はケル人を手厚く介護し、軍の追手から守ろうとするのだが…」

・「精霊島」(御茶漬海苔先生のデビュー作品)
「精霊島では、精霊(しょうりょう)様に選ばれた娘は若さを長く保ち、精霊様の目を見た男はカラスになると伝えられる。
 ユミは精霊様に捧げられることが決まり、ある夜、社にて精霊様を待つ。
 そこで、彼女は、島の御婆の言う「胸がさけるほど悲しいこと」を体験することとなる…」

・「テレフォン」(ラストを加筆訂正)
「美香が引っ越した一軒家。
 そこでは、毎夜、二時になると、いたずららしい、無言電話がかかってくる。
 更に、毎晩、海の夢を見るようになり、朝を迎える度に、身体のどこかに刺傷ができていた。
 寝ている間に髪を切られた美香は、身の危険を感じ、友人のゆかりのアパートに泊めてもらうが…」

・「クルミ」
「どこも異常は見られないのに、意識を失ったままの中学生、桑原ゆみ。
 彼女の父親のもとに、エクソシストの男性が現れ、彼女はクルミの虜となったと告げる。
 クルミは彼女の体内に入り込もうと目論んでおり、そうなる前に、聖水で焼き払うしか方法はない。
 しかし、父親の隙をついて、クルミはゆみの下腹部に潜り込んでしまう…」

・「最期の放課後」
「ある学園に潜入した女スパイ。
 彼女は校長達に捕らえられ、マジック・ミラーで囲まれた部屋で催淫剤を飲ませられる。
 彼女の運命は…?」

・「エレベーター」
「廃墟となった病院は、ゆうとユミの遊び場所。
 中でも、エレベーターがお気に入り。
 だが、ある日、二人はエレベーターに閉じ込められてしまう…」

・「あなたの世界へ花束を」
「スラム病に侵された少女は兵隊に助けられる。
 彼女の命を救うには、ワクチンだけでは足りず、モスクワの病院で治療しなければならないが、少女は拒否。
 兵隊は彼女の命を救おうとするのだが…」

・「ワールブルグ号」
「三百年前に、不老不死の石と共に、宇宙で消息を絶った冒険家ワールブルグの宇宙船が発見される。
 宇宙飛行士の男二人はワールブルグ号を探索すると、ワールブルグの娘がまだ生存していた…」

・「時計じかけの少女」
「旅館に行くために、山越えを強行した男性。
 日が暮れ、途方に暮れている時、高台に屋敷を発見する。
 縁側には着物姿の可憐な少女が座っており、彼は一夜の宿を乞うが、父親らしき男性に追い出される。
 何とか旅館に着いた男性は、女将から、あれはキチガイ博士の屋敷で、若い男が何人も行方不明になっていると聞く。
 翌朝、男性が再び、あの屋敷を訪れると…」

・「妖精の舞い降りた日」(大幅に描き直し)
「突如、東京に降り立った巨大ロボット。
 自衛隊の攻撃も全く効かず、ロボットは破壊の限りを尽くす。
 一方、東京から離れた田舎で、ある兄妹が妖精を捕まえる。
 二人は、妖精を箱に入れ、家に持ち帰るが…」

・「おまけ」
 御茶漬海苔先生による、ホラー映画に関するエッセー。アシスタントをしていた奥さんのコマもあります。

 デビュー作「精霊島」を含む、初期のホラー短編を収録した単行本です。(もしかして、一番、最初の単行本?)
 久保書店の「WORLD・コミックス・スペシャル」から出ているためか、ロ○○ン入ってるエロ・シーンが多く、エロ漫画家としての側面も窺い知ることができます。
 当初から切れ味鋭い短編には類まれな才能を感じますが、本書の大半を占めるSF作品は、思い付きだけで描かれたような作品が多く、そこは残念。
 全くと言っていいほど、ストーリーの背景が説明されてなく、読後、何のことやらさっぱりわからないものだらけです。(特に、ひどいのは「最期の放課後」「あなたの世界に花束を」「ワールブルグ号」…さっぱり、内容が掴めねェ!!)
 ホラー作品は多少、説明不足でも「雰囲気」でごまかすことができますが、SFでそれをやっちゃうと「独りよがり」にしか見えないのです。

2018年7月6日 ページ作成・執筆

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