好美のぼる「妖怪合戦」(1969年8月15日初版発行)

 収録作品

・「闇の眼少女」
「山奥の小屋で暮らす、孤児の姉妹。
 妹の佐代子は、身体が「じゅくじゅく」して、縮んでいく奇病に冒されていた。
 あまりに人間離れした身体になった佐代子は、姉と道に迷ったキャンパーを殺害して、里に下りる。
 以降、子供が殺される事件が立て続けに起き、山村はパニックとなる。
 非常体制が取られ、子供達は学校に避難、男衆は山狩りをして、佐代子の行方を探す。
 その頃、学校に立つ木の上で、芋虫のような身体となった佐代子は闇に眼を光らせていた…」
 何ちゅ〜か、いろんな意味で、ひどい話です。
 子供が犠牲者となるので、今現在では問題となる内容かもしれません。(子供の首吊り死体の描写があったります。芋虫のような身体でどうやって首を吊ったのか、イマイチ不明ですが。)
 ストーリーもまた、テキト〜です。
 要約すると、「身体が縮む病気にかかった少女が殺人鬼になった挙句、身体が全部溶けて、終わり」というものでして、読み返してみても、やっぱりワケわかりません。
 特殊メイクをリック・ベイカーが担当したことで有名なゲテモノ・ホラー映画「溶解人間」(米/1978年/未見)を先取りしていたとか?
 ともかくも、何故こんな作品をわざわざ再録したのか、謎であります。

「鬼女(おにめ)」
 上記のページにて、画像付きで紹介しております。
 再録の際に、巻頭のストーリー・ダイジェスト(4ページ)が省略されております。

 貸本マンガとして出版された作品を二つ収めた単行本です。
 この単行本で最も味わい深いのは、袖に書かれた文章です。
 犬を抱いた好美のぼる先生の写真の下に、
「妖怪たちが合戦をはじめたのではありません。
 妖怪物を描いている作家の方たちへ挑戦しているのです。
『こんなに恐ろしい妖怪物が描けます。あなた方はどうですか。もっと恐いのを描いて見ることが出来ますか。』
 という意味ですが、実はそんなに恐くないのです。
 むしろかわいそうなんです。
 かわいそうな妖怪物があってもいいと思っています。」(全文掲載)
 他の漫画家を挑発しているのかと思いきや、ビミョ〜に尻すぼみになって、結局、何が言いたいのかわからない「曖昧な日本の私」な好美のぼる先生。
 好美のぼる先生が手塚治虫先生に凄まじいライバル意識を燃やし、質はともかく量は手塚治虫先生に肉薄するほどの作品を遺しました。
 ですが、手塚治虫先生以外に、水木しげる先生にも挑戦状を叩きつけていたとは知りませんでした。
 ただ、マイナーな出版社のマイナーな単行本の袖でいくら吠えても、その頃にはヒット作家になっていた水木しげる先生のもとにはちっとも届かなかった模様です。

・備考
 カバーの背表紙上部あたりに一部欠損。貸本として使用されたのか、後ろの遊び紙に書き込みあり。一部、割れ気味の部分あり。

2016年12月10日 ページ作成・執筆

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