都島京弥「どくろ美人」(1963年8月31日発行/190円)


「天下の浪人、紅三四郎は、往来で侍に絡まれている娘を助ける。
 彼女は丸木屋の長女、楓と言い、町内一の美人と名高かった。
 そして、彼女にからんでいたのは、大老である田沼の子息、鉄也。彼は執拗に楓に言い寄っていたが、頑なに拒まれる。
 楓を助けたことをきっかけに、三四郎は丸木屋に数日、滞在することとなる。
 そこへ田沼家から楓を奉公に上げるよう申し出があり、丸木屋の主人は、断る口実として、楓と三四郎の結婚をでっち上げる。
 その代わりとして、楓の妹、お秀が田沼の屋敷に奉公に上がることとなり、当座のトラブルは避けられたに思われた。
 だが、鉄也は、楓と同じく美人のお秀にも色目を使い、許嫁の美鈴はカンカン。
 また、鉄也は、楓もあきらめきれず、三四郎に決闘を挑み、卑怯にも陰から銃撃させ、重傷を負わせる。
 瀕死の三四郎であったが、決闘のことを知った楓に介抱され、一命をとりとめる。
 一方、お秀は、家宝の茶碗を壊したことから美鈴から激しい折檻を受ける。
 更に、気絶している間に、鉄也に処女を奪われてしまう。(台詞から判断すると)
 これが美鈴の憎しみの炎に油を注ぎ、、お秀に更に過酷な折檻を加える。
 その夜、楓の前に、びしょ濡れのお秀が姿を現わすのだが…」

 最初に言っておきますと、「どくろ美人」は扉絵に出てくるもの(右画像参照)だけで、一切出てきません。
 恐らく、「幽霊」を表現したかったんでしょうが、ちょっと無理のあるタイトルだと思います。
 あと、この作品で気になったのは、セクシャルな描写が幾つかあったこと。(入浴シーンや主人公達が抱き合うシーン等)
 セクシャルとは言え、直接的な描写はなく、あくまで暗示するだけですが、貸本マンガには珍しいと思いました。

・備考
 ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。pp101・102、コマ内に破れあり。後ろの遊び紙に貸出票の貼り付けあり。

2018年12月25日 ページ作成・執筆

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