利野文俊「呪いの針供養」(B6判/130円)

「天保六年(1835年)二月八日の夜。
田島屋とその仲間の商人たちの娘が針供養から帰って後、怪死するという事件が起きる。
彼女たちは突如、全身に爛れが広がり、白骨になって死んでいた。
田島屋の娘の死を目撃した塚口弥太郎は死の真相を探ろうとするも、父親に固く止められる。
だが、父親の様子はどこか挙動不審で、何かを知っているようであった。
その後、娘たちに続き、今度は田島屋の仲間の商人たちが死んでいく。
その死に様は娘と同じであった。
一人生き残った田島は店をたたみ、弥太郎の父のもとを訪れる。
弥太郎の父は田島と共に出かけ、田島の家に住み込むのだが…。
この事件の裏には二年前の天城屋善兵エと娘の千恵が殺された事件が絡んでいた…」
怨霊による復讐を描いた作品で、まあまあ面白いです。
そこまで凝った内容ではないですが、オーソドックスな内容はやはり安心して読めます。(物足りない時も多々ありますが…。)
個人的に、「針供養」の描写が興味深くありました。
淡島神社(根岸?)に行って、神主の前で豆腐に針を刺しており、こういう風習があることを初めて知りました。(幾つになっても勉強です。)
あと、この手の昔の怪奇マンガに出てくるガイコツ、味があっていいなあ〜。
・備考
カバー欠?ビニールカバーの剥がし痕あり。糸綴じの穴あり。読み癖あり。後ろの見返しに貸出票の剥がし痕あり。
2025年4月14日 ページ作成・執筆