坂上泰夫「どくろ蜘蛛」(220円/発行年月日不明)



「南町奉行所与力、伊勢新三郎は隠し目付けとして江戸の町を巡回していた。
 ある夜、一人の老人が何者かに斬殺される。
 老人は甚助という名で、江戸の西にある土屋敷での番人をやめたばかりであった。
 彼は新三郎に「くも」と言い残し、息絶える。
 奉行所に戻ると、新三郎は大岡越前からお喜世の方(将軍家継の母)に来た手紙を見せる。
 手紙には、「魔性の影」が病弱な家継公が脅かし、死を一層早めたと書かれていた。
 新三郎は早速調査を始め、尾張藩と竜城寺藩が絡んでいることを突き止める。
 一方で、彼は隣に住むお仙という娘に疑いの目を向けるようになる。
 お仙は毎夜、一抱えはある箱を背負って、出かけていた。
 ある雨の夜、彼女は竜城寺藩の上屋敷の前で姿を消すが、その夜に竹姫が急死する。
 竹姫は妖怪を目にして、そのショックで亡くなったのであった。
 新三郎はお仙の留守に箱の中身を確かめようとするが…。
 家継公の死の真相とは…?
 そして、「くも」の正体は…?」

 ストーリーはまあま面白いとは思うのですが、肝心のモンスターがショボショボで話になりません!!(一番右の画像を参照のこと)
 モンスター描写を頑張れば、佳作になったと思うのですが…。

 ちなみに、この単行本には巻末に発行年月日が記されておりません。
 太平洋文庫はここはきっちりしていたのに、そろそろ倒産の危機を迎えていたのでしょうか?

・備考
 ビニールカバー貼り付け。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕と朱肉(?)つき。

2023年6月5日 ページ作成・執筆

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