北杜太郎「幽霊陰陽師」(1964年3月9日発行/200円)
「ある夜、伊賀忍者、黒兵エは、三人組が風魔の一味に襲われているのを助ける。
唯一助かったのは、高浜二万一千石の若様、酒井京一郎であった。
伊吹の宿で、再度風魔に襲われるものの、どうにかこれを撃退し、京一郎も間一髪で命拾いをする。
敵が京一郎を仕留めたと思い込んだのを幸い、黒兵エは、坊主に化け、京一郎の遺髪と遺品を高浜城に届ける。
黒兵エが調べた所、城では、家老達一味が、京一郎に次いで、殿の酒井若狭守明重を病死に見せかけて毒殺しようとしていた。
そして、京一郎の双子の弟、源四郎を世継ぎに据え、密貿易で儲けようと企んでいたのである。
そこで一計を案じ、黒兵エは、ひそかに源四郎と京一郎を入れ替え、源四郎を山中の小屋に閉じ込める。
以来、夜毎、光姫の枕元に、幽霊陰陽師が現れては、災難を記した紙を渡していく。
その紙に書かれた通り、京一郎や殿の殺害に関係した家老の一味が次々と変死していくのであった。
黒兵エは高浜城での陰謀を阻止することができるのであろうか…?」
怪奇ものというよりは、伊賀忍者が家老の陰謀を阻止するために活躍する「忍者もの」です。
怪奇ムードは他の作品よりも稀薄ですが、、相変わらず、きつい残酷描写でカバーしております。
にしても、高浜藩(福井県にあった、小浜藩のことみたい)では本当にこんなことがあったのでしょうか?(酒井家が長らく治めていたみたいだけど。)
・備考
ビニールカバー貼り付け。釘綴じあり。小口に「68.8.18」とサインペン(?)での書き込みあり。前後の見開きにテープでの補強。後ろの遊び紙に書き込み。
2019年9月26日 ページ作成・執筆