つじいもとこ「夏の視線」(1989年1月13日初版・1991年8月4日3刷発行)

・「夏の視線」(「ホラーハウス 88年8月号」掲載)
「親友の佐山幸子が通り魔に惨殺された。
 夏子とエリは、同級の男子学生、木村と共に犯人を捜そうと決意する。
 実は、エリには透視力と念動力があり、この力を捜査に役立てようとする。
 疑わしいのは、路線バスの痴漢常習者なのだが…。」

・「螺旋夢」(「ホラーハウス 88年5月号」掲載)
「川辺早苗の恋人、三ツ矢は魔術やオカルトに興味を持っていた。
 彼は、深夜零時に合わせ鏡の奥から悪魔がやってくるという噂の真相を確かめようと、ある夜、友人達と試してみる。
 すると、鏡の奥から蚤のような小さな虫がぴょんぴょん跳ねながら、こちらにやって来る。
 鏡の外に出た、その虫のようなものを捕まえようとするが、それは三ツ矢の目の中に飛び込んでしまう。
 何の実害もなかったものの、三ツ矢と早苗が別れる時に、その虫らしきものが三ツ矢の目から早苗の目に飛び移る。
 大したことはなく、いつの間にか忘れたものの、二人の身体には異変が起こりつつあった…」

・「人魚のいる水族館」(「ホラーハウス 87年2月号増刊」掲載)
「生物部の実習で訪れた水族館で、律子とマーちゃん(名前不明)は、水槽の中に小さな人魚を見る。
 翌日、二人で水槽を見張ると、やはり小さな人魚が泳いでいた。
 律子と友人は、人魚を捕まえようと、閉館後の水族館に忍び込む。
 二人は水族館の職員に追われるが、人魚を狙っているのは二人だけではなかった…」
 恐ろしく後味の悪い話です。それと、友人面した性格ブス女の描写がなかなかリアルです。

・「結婚詐欺師」(「ホラーハウス 88年10月号」掲載)
「ロージーが愛し、結婚を約束したデュオレ。
 しかし、彼は吸血鬼だった。
 昔、デュオレを愛したと言う老婦人に、彼と関わりを絶つように言われるが…」

・「SO LONG ーいつか約束の日にー」(「ホラーハウス 1987年8月号増刊 ミステリアスFee」掲載)
「佐野家に家族と共に暮らす、菜都という娘の幽霊。
 彼女は佐野育郎のもと婚約者だったが、結婚を目前にして、急死してしまう。
 以来、育郎に『未練」を抱いたまま、二十数年、菜都はこの家にいる。
 しかし、菜都を視ることができるのは、そこの母親のみで、二人は何だかんだ言いながらも、共存(?)していた。
 ある日、バイク事故で足を骨折した長男の勇人が病院から帰ってくる。
 事故のせいか、彼には菜都が「視える」ようになっていた。
 彼女に会ったことで、彼は「家族の絆」を深く知ることとなる…」

・備考
 ゾッキ本(小口下部に赤いマジックで線引き)。下部に、ぶつかたか何かによる、ページの歪みあり。

2015年2月8日 ページ作成・執筆
2022年1月31日 加筆訂正
2022年3月11日 加筆訂正

大陸書房・リストに戻る

メインページに戻る