日野日出志「劇画・ミイラの魔境」(1980年1月6日発行)
「夏。
漫画家の日野日出志は、大陸書房から『大陸謎シリーズ』の一つとして、ミイラに関する話の劇画化を依頼される。
手始めに、ジョージス・マクハーグ・著「世界のミイラ」を読み、世界各地に様々なミイラが存在することを知る。
だが、肝心のストーリーがちっとも浮かばない。
そんな時、父方の叔父、日野大介がミイラの研究をしていたことを思い出す。
早速、訪ねると、叔父の一家(日野大助、姉のユリ、弟のひろし)はミイラを調べる旅を予定していた。
一行が向かうのは、N県の山奥にある間見井村。
江戸時代の書物「諸国妖異集」には、この村に不思議な一族が住んでおり、ミイラの墓を守っていると書かれてあった。
地図を頼りに進むと、崖の下にひっそりと隠れるようにして村がある。
村の門の横には柵があるが、その上には動物の頭部のミイラが並べられていた。
一行は村人達と出会い、日野大助は村長と話をする。
村長は「ミイラ伝説」は昔のことではっきりしたことはわからないと話し、もし主人公達が即身仏を発掘するのなら、手伝いを申し出る。
翌日、主人公達は村人の案内で、間見井川上流の洞窟に向かうのだが…。
この村の恐ろしい秘密とは…?」
「大陸謎シリーズ」には様々な漫画家さんが執筆していて、それぞれに作家の個性が見られます。
生真面目に解説しているものもあれば、題材をうまくエンターテイメントとして料理したものもあります。
んで、日野日出志先生の「ミイラの魔境」ですが、日野作品以外の何ものでもありません。
最初の方は、大人しくミイラの解説(グロい写真多し)をしておりますが、中盤あたりから、主人公達は「闇の一族」に罠にかけられ、「闇の帝王」の復活の儀式に巻き込まれるという、学術的とは全く関係のない方向に突き進みます。
そして、しょぼめのバトルの後にはスペクタクルなラストが待ち構えており、読後、ミイラのことなんかほとんど覚えておりませんでした。
でも、まあ、面白かったから、いいや。
2023年1月29日・4月19日 ページ作成・執筆