いばら美喜「大忍法」(200円/1965年頃)
「元和(げんな)元年(1615年)。
徳川家についた真田信尹(さなだのぶただ/注1)は、真田幸村の子飼いの忍者である真田十忍に命を狙われる。
十忍のうち、四人は城内に忍び込んだところを殺害したが、残りの六忍の中に、霧隠才蔵という恐るべき忍者がいた。
そこで、信伊は部下に多額の報酬をちらつかせ、霧隠才蔵達を討つ者を募る。
ところかわって、静かで平和な、葉室の里。
そこには、元・大友忍者であった一族が百姓として暮らしていた。
ある日、里を、笹野記内という旅の武芸者が訪れる。
彼は、仇である真田忍者を捜していると話し、里の娘、アグリの家に滞在することとなる。
アグリは彼にすっかり夢中になり、彼にプロポーズされた喜びで、真田十忍を捜し出すと約束する。
彼女は、元・下忍だった加源に事情を説明し、真田忍者の居所を突き止めるよう頼む。
惚れた弱みで、加源は、真田忍者の本拠地である鬼宝山へ潜入し、霧隠才蔵に左腕を奪われながらも、生還。
この情報をもとに、笹野記内は、兄の甚兵衛と共に敵討に出かけるが、アグリは父親に制止され同行できなかった。
翌日、甚兵衛より記内が返り討ちにあったとアグリは聞かされる。
アグリは記内の仇を討つために鬼宝山へ向かい、加源も彼女の後を追うのだが…」
今読んでも非常に面白い「忍者」マンガです。
見ものは、何と言っても、「忍法目刺し」!!(クライマックスで炸裂するのですが、さすがにそれを掲載するのは憚れましたので、この画像で想像をたくましくしてください。)
ちなみに、巻末の読者コーナーで、いばら美喜先生が読者の質問に答えております。
本名は、藤咲昇。出身地は、茨城県勝田市。最初の作品は時代もので「菊五郎格子」。絵を描き始めたのは、物心ついた時からだそうです。
・注1
真田信尹(1547〜1632)は、このマンガでは霧隠才蔵に暗殺されたことになっておりますが、実際は、86歳で病死と、天命を全うしております。
・備考
ビニールカバー貼り付け(しかも、注意書きも一緒に貼り付け)。糸綴じあり。前後の見開きに紙で補強。
2021年1月25日 ページ作成・執筆