佐藤よしろう「悪魔の眼をした天使」(220円/1966年頃)



「ベルギー、ブルッゲ。
 カトリーヌは、姉のアンナ、姉の婚約者のフエルは、伯父の住む館に滞在する。
 館は海に面しており、ベランダから眺める風景は実に風光明媚であった。
 休暇の最後の夜、カトリーヌは、海に出かけたアンナとフエルを迎えに行く。
 そこで、カトリーヌは、血の付いた鎌を持ち、赤いコートに身を包んだ、黒髪の女性に出会う。
 カトリーヌが悲鳴を上げると、女は逃走、夜泳をしていたフエルがすぐさま女の後を追う。
 女が向かった先は、地元の人々から「病魔の館」と呼ばれる、古びた館であった。
 十五年前、その館では五人家族が不治の病にかかって、次々と亡くなり、以来、誰も近寄らなくなったと言う。
 フエルは女を結局、見失うが、その無人の館の窓に明かりを見る。
 翌日、三人は伯父のもとを辞去するが、帰る途中、「病魔の館」を調べるために寄る。
 乗り気でないアンナを残し、カトリーヌとフエルが館の二階に上がると、ある一室のベッドに女性のミイラが横たわっていた。
 姿形、服装、どれを取っても、昨夜、目にした女に似通っている。
 更に、昨夜、カトリーヌが目にした鎌が壁に掛けられており、に奥の部屋には、頭部の木製彫刻が三つあった。
 だが、痺れを切らしたアンナと言い争いをしている最中に、女のミイラと鎌は消えてしまう。
 釈然としないまま、三人は「病魔の館」を後にして、家のあるイーペルに戻る。
 しばらくの間、カトリーヌは女の悪夢に悩まされるが、ようやく落ち着きを取り戻した頃、彼女の前に、再びあの女がたびたび姿を現わすようになる。
 すっかりノイローゼ気味のカトリーヌのもとに、伯父が行方不明になったという知らせが届く。
 姉と共に急いで、伯父の館に向かうが、その先々でカトリーヌは奇怪な出来事に見舞われる…」

 読んでる最中はまあまあ面白いのですが、出来は「へっぽこ」です。
 ヘソで茶を沸かすどころか、逆噴射してしまうほど、「へっぽこ」です。
 何が「へっぽこ」かって、ラストの謎解きがもう…ヒド過ぎます。(カラーページは、右上画像の続きです。)

 右の画像を読んでいただければ、どれだけ「テキト〜」なのかわかると思いますが、冒頭、血の付いた鎌を持っていたのは、「このカマで人のいない朝と夜、カシラ(魚、ヒラメ科)をひっかき上げてい」たからなんですって!!
 作中で散々「魔女」呼ばわりしておいて、その正体は単なる「魚獲り」。
 う〜ん、へっぽこ。

・備考
 ビニールカバー貼り付け。前後の見開きの奥に紙テープにて補強。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕と書き込みあり。

2017年9月6日 ページ作成・執筆
 

東京トップ社・リストに戻る

貸本ページに戻る

メインページに戻る