いばら美喜「下忍伝」(190円)

「天正二年の秋、世は戦国。
 才助は伊賀忍者の下忍。
 忍術は一流であったが、下忍であるというだけで、中忍・上忍には逆らえない身であった。
 今回も、生きて帰った忍者がいないと言われる、上長義信の治める早影城に忍び込み、城内を探ることに成功するも、中忍の甚蔵に手柄を全て、かっさらわれてしまう。
 才助にとって唯一の慰めは、同じ下忍のくノ一、珠女(たまめ)であり、二人は相思相愛の仲であった。
 しかし、これとても、甚蔵が珠女を嫁にしようと甚蔵が狙っていた。
 希望のない下忍の生活に、才助は友人に誘われ、伊賀抜けをひそかに敢行する。
 だが、失敗し、密偵により頭に報告され、掟を破ったことを知られてしまう。
 その時、ある城主から再び早影城を探索して欲しいという依頼が来る。
 一人では何もできない甚蔵は才助を連れて行くことを希望する。
 また、才助は甚蔵に、自分が大手柄を立てたら、伊賀を去ることを見逃すよう、取引を持ち掛ける。
 そして、甚蔵が才助に要求した手柄とは、才助一人で早影城を陥落させることであった…」

 いばら美喜先生の「初の長編時代劇画」です。
 怪奇マンガとは言えないのですが、人の死ぬ数が半端でないので、紹介しちゃいます。(単に好きなんです。)
 東京トップ社の他の作品と同じく、シャープなアクション描写は出色であり、塚原卜伝なんかも出てくるので、今現在読んでも、なかなか面白いです。

・備考
 非貸本らしい。カバーに擦れあり。本の留金が錆びて、後半で外れ。本の裏に何かで突いたような窪みが4つぐらいあり。

2016年6月8日 ページ作成・執筆

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