旭丘光志「全日空機遭難 大捜索」(220円/1966年4月頃完成)
「1964年6月初旬。北海道の大雪山。
島本一郎は登山の途中、スズランを傷つけている若者に注意して、ボコボコにされる。
このせいで、彼は登山コースを外れてしまい、雨模様の中、滑落。
気が付くと、見知らぬ娘と洞窟で一緒にいた。
娘の名は鈴谷美江といい、足を折った彼を発見し、ここまで運んでくれたのであった。
彼女は麓まで彼をおぶっていき、入院中も毎日、見舞いに来てくれる。
退院して東京に帰る日、二人は来年の六月に大雪山での再会を約束する。
一年後、二人は再会を果たす。
美江は札幌に小さなフラワーショップを開いていた。
彼は彼女との結婚を考えるが、彼のもとに会社社長の娘との縁談が舞い込む。
断るため、彼は美江に写真を送るよう手紙を出すが、写真は嫌いという返事が届く。
家族は一方的に縁談を進め、1964年2月4日、彼は札幌で美江に別れを告げる。
だが、彼の結婚が幸せでないと知り、彼女は彼を延々と追ってくる。
彼女を振り切り、千歳空港で彼が乗ったのは、運命の「ボーイング727ジェット航空機」であった…」
1966年の「全日空羽田沖墜落事故」を題材にしたドラマ…かと思いきや、実は「スズランの精との悲恋」を描いたファンタジーです。(事故から二か月後に描かれております。)
前半が「主人公が恋人のスズランの精を振り切って、飛行機に乗りこみ、事故死」、後半は「スズランの精との出会いから別れ」を扱っております。
どうも構成がすっきりしないのは墜落事故の描写に重点を置いたためでしょうか?
本当は墜落事故を題材にしたドラマにするつもりだったけど、それではページ数が稼げないので、ファンタジー要素を追加したのではないか?と推測しております。
あと、「花を持って乗ると必ず墜落する」というジンクスは実際にあるのでしょうか?(右下の画像を参照のこと)
・備考
ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。pp24・25、食べカスが挟まり、シミ。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕と貼り付けあり。
2022年1月13日 ページ作成・執筆