鈴原研一郎「きちがい女学生」(220円)



「ある満月の夜、星野タケシと妹のみゆきの乗った自動車が、道の真ん中に立っていた少女をはねる。
 タケシは少女を病院に運ぶが、少女の美しさに魅了される。
 病院では少女は治療を受け、幸いにも頭を軽く打っただけであった。
 面会を望むものの、少女の母親の希望により、タケシとみゆきは面会を拒否される。
 しかし、二人は少女の病室から漏れ出る、奇怪な笑い声を耳にしてしまうのであった。
 翌日、タケシは車ではねた少女、立花ヨウ子の見舞いに、立花家の屋敷に出向く。
 庭には、猫を抱いた立花ヨウ子がいたが、タケシの姿を見ると、すぐに姿を消してしまう。
 ヨウ子の母親に会うが、事故の責任を追及しないかわりに、立花家のことも全て忘れて欲しいとけんもほろろ。
 その時、また、あの奇怪な笑い声が階上から聞こえてくるのであった。
 そう言われたものの、タケシはヨウ子のことをあきらめきれない。
 ヨウ子の通っている女学園まで出かけ、タケシを避けようとするヨウ子に胸の内を打ち明ける。
 根負けしたのか、ヨウ子はタケシに自宅の電話番号を書いた紙を渡すのであった。
 母親のいない時間に、タケシはヨウ子に電話をかけ、デートに誘う。
 だが、受話器の向こうから流れてきたのは、あの笑い声であり、タケシはヨウ子の正気かどうかわからなくなる。
 また、翌日、デートに現れたヨウ子はタケシを車道に突き飛し、笑い声を上げて走り去る。
 事の真相を明らかにするため、タケシは立花家の屋敷を訪れる。
 立花ヨウ子は二重人格なのであろうか…?」

 「きちがい女学生」とは何ともストレートなタイトルでありますが、内容自体は今現在から見たら、他愛のないものであります。
 そこを、味のある絵でカバーするのであります。
 なかなかにソフトに描かれる「きちがい」描写に、意外や、心が和んだりするかもしれませんね。

・備考
 状態、非常に悪し。読むには問題ないものの、ほとんどジャンク。ビニールカバー貼り付け、また、それによる破れや歪みあり。全体的に水濡れの痕があり、本が湿気で波打っている。糸綴じあり。p15、登場人物紹介のカラーページに黄色鉛筆による落書きあり(ネタバレしちゃってるよ)。pp44・45、上方に何かが挟まって、汚れとなっている。p132の「あとがき」ページ、ひどい汚れあり。後ろの遊び紙、袖の部分に貼りつき。

2016年6月7日 ページ作成・執筆

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