池川伸治「鬼」(230円/1968年頃)
収録作品
・「鬼」
「死を病的に恐れる、池田不死子。
男友達の治は、ノイローゼ気味の不死子を心配するものの、全く焼け石に水。
また、どことなく様子のおかしい母親に疑惑を抱く。
夜が眠られない不死子は、母親からいつも薬をもらい、眠りに就く。
すると、夢の中で、満月の夜に不死子は死ぬ、ただし、憎い人を殺せば、次の満月の夜まで生きられる、と告げられる。
不死子は頭がおかしくなったのではないかと悩み苦しむ。
当の満月の夜、母親からいつもの薬をもらった不死子は、遂に、嫌いな気取り屋の女生徒を池に呼び出し、池に突き落としてしまう。
翌日、ひそかに不死子の観察を続けていた治は、昨夜のことをネタに不死子を河原に呼び出す。
治の見たところ、不死子がおかしくなり始めたのは、不死子の父親が行方不明になった頃からであった。
不死子の父親は乱暴者で、不死子は父親がどこかに行けばいいと思っていたと打ち明ける。
そのせいかどうかはわからないが、父親の失踪以来、夜ごと、不死子の耳元で死に誘う声に悩まされるようになったと不死子は治に訴える。
不死子を死に誘うのは誰…?
そして、不死子の父親の行方は…?」
どことなくまとまりのない話で、相変わらず、迷走しております。
ラストもイマイチです。
個人的には、散漫な印象しか残りませんでした。
・「魔室」(1968年5月4日完成)
「新しい家に引っ越して、一か月。
少女は友人とケンカ別れをして、ムシャクシャしながら、眠りに就く。
すると、翌朝、部屋中、蜘蛛の巣だらけ。
前の家主に電話で聞くと、あの部屋は「魔室」とのこと。
気味悪く思った少女は、別の部屋で休むが、その部屋でも怪異が起こる。
前の家主に、少女の家族が詳しいことを聞きに行くと…」
・備考
カバー貼り付け、また、補強のため、セロテープで縁取り。袖にテープ留めあり。ビニールカバー剥がし痕あり。糸綴じあり。喫茶店のスタンプ、前後に計六個あり。pp52〜57、上部に水濡れらしきシミあり。
2016年11月1日 ページ作成・執筆