池川伸治「七才のペテン子」(220円/1966年12月26日完成)
「自動車会社の社長の屋敷にペテン子と名乗る少女が出没しるようになる。
ペテン子だけでなく、狐目の男、美しい娘、厳つい風貌の老人も屋敷に現れては、屋敷の人々の生活を攪乱(かくらん)する。
屋敷の姉妹は、クラスメートの始に協力してもらって、ペテン子の正体を掴もうとするが、うまくいかない。
一方、社長である、姉妹の父親は呪い殺される夢を見てから、徐々に憔悴、会社も傾いていく。
ペテン子達は一体何者なのであろうか…?
そして、彼らの目的とは…?」
「交通戦争」を激しく糾弾したマンガであります。
それはそれで結構なのですが、このマンガで弾劾されているのは(ネタバレしちゃいますが)自動車会社の社長であって、イマイチ関係がないような気がします。
そりゃ、自動車会社にも「交通戦争」の責任の一端はあったかもしれません。(私がどうのこうの嘴を入れる話ではありませんが…。)
だからって、無責任なドライバーの起こした交通事故の責任まで負わせるというのは、おかしな話であります。
まあ、「坊主憎けりゃ〜」ということなのでしょうね。
と、ストーリーは「?」なところがあるのですが、ショック描写はなかなか面白いです。
左の画像では、さがみゆき先生の「奇女を銀の皿へ」(貸本/ひばり書房/これに加筆したものが「血まみれカラスの呪い」)にも似たような描写があるようなのですが、これってやっぱり池川伸治先生の影響なのでしょうか?
(ただし、「奇女を銀の皿へ」の方が先に描かれているようですので、推測の域を出ません。当時、池川伸治先生とさがみゆき先生は夫婦でしたので、逆に影響を与えた可能性もなきにしもあらずです。)
右の画像は「犬神」もしくは「ろくろ首」でして、ちょっぴり斬新かも。(注1)
・注1
いばら美喜先生の「ミステリーマガジンシリーズC のたれ死に」(貸本/東京トップ社)では、1962年頃に「犬神」を扱っているようです。
読みたいのですが、高い…以前に、モノがない〜。
・備考
非貸本。経年の痛みはあるが、状態は良好。
2016年8月28日 ページ作成・執筆