月宮よしと「雪女」(200円)
前半のストーリーは、お馴染みの、小泉八雲の「雪女」に沿っております。
例の如く、終わるのかと思いきや、雪女が正体を現すシーンで、突如、雪女が前世…というか、雪女になった理由を滔々と語り始めます。
それによると
「雪女はもと、武蔵国の、美しい村娘であったが、自分の理想とする男性を求めて、縁談を全て断っていた。
疫病で臥せている間、彼女の魂は身体から脱け出し、雪山で男達を次々と遭難させる。
彼女が己之吉(「雪女」の主人公)を襲った時、彼女は彼こそが理想の男性だと直感する。
しかし、その時には彼女の身体は火葬されていた。
彼女は「疫病の神」に頼んで、自分と同じ「お雪」という名の娘と魂を入れ替えてもらう」
ということになっております。
後半のストーリーに元ネタがあるのかどうかは不明ですが、こういう展開は新鮮でした。
また、「疫病の神」(右上の画像を参照のこと)が出てくるのも、興味深くあります。(注1)
ラストも意外で、なかなか凝った作品だと思います。
・注1
どうして、背中に鋸やらやっとこを背負ってるの?
作中では、ぶっちゃけ、人の良いおじさんなんですが、現実もそうだったら、いいのに…。
・備考
ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。上部に折れ痕あり(後半の方がひどい)。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕と貸本店のスタンプあり。
2020年4月9日 ページ作成・執筆