しきはるみ「怪談うらめしや」(220円)



「元・道場破りの河原崎源三郎。
 一月前から、彼は、戸田流剣法指南役、真崎大作の道場に通う。
 真崎大作は源三郎の剣の腕を認め、藩に推挙すると話す。
 また、大作の妹、お縫は源三郎を慕い、二人の仲は急速に発展。
 しかし、彼には、道場破り時代に知り合った千鶴という娘がいて、夫婦になる約束をしていた。
 源三郎にとっては、お縫との婚約は出世への足掛かりであり、彼は千鶴を斬殺する。
 以来、千鶴の怨霊は彼につきまとい、彼の剣には妖気がつきまとうようになる。
 御前試合の際、彼は指南役二人を即死させ、高禄四百石の指南役となる。
 そして、お縫との祝言も挙げ、彼の望みは全て叶ったかに見えたのだが…」

 程よくまとまってます。
 が、よくあるストーリーで、読後の印象は弱いです。
 生前の千鶴に関する描写が極端に少ないのが、ストーリーの希薄さにつながっていると思います。
 本編よりも、巻末の次回予告「ミイラ侍」の方がよほど、強烈でした。(注1)

・注1
 「ミイラ侍」は、今まで噂さえ聞いたことがないので、発行されていないように思います。
 まあ、包帯をぐるぐる巻きにしただけの侍の話なのかもしれませんが…。

・備考
 ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。前後の見開きのノドに紙にて補強。

2021年7月17日 ページ作成・執筆

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