月宮よしと「怪談幽霊絵図」(170円)
「経師屋を営む松田屋の主人は、円山応挙の幽霊画が破格の値で売れたことから、悪企みを思い付く。
それは、円山応挙の幽霊画の偽作を作るというもので、その際に目を付けたのが矢野静山という貧乏画家であった。
静山は最初は渋るが、妻が身重の身ということもあり、結局、承知する。
松田屋は静山を家の離れに住ませ、偽作を描かせると、これが飛ぶように売れて大儲け。
欲を出し、松田屋は静山にどんどん描かせようとするが、支払いの件で言い争いになり、勢いで静山を刺し殺してしまう。
松田屋は、その場に顔を出した忠吉を脅し、死体をつづらに入れて、捨てさせる。
だが、静山の怨念はどこまでも松田屋に付きまとい、破滅へと追い込む。
更に、崇りは子孫の代にまで及び、その因縁は奇怪な事件を引き起こすのであった…」
事実かどうかは知りませんが、円山応挙の幽霊画が高値で売れたから、偽作を作ろうとするストーリーが興味深かったです。
いずれにせよ、需要がなければ、あれだけ幽霊画は描かれていないでしょう。
日本人の心に「幽霊」はしっとりとなじむものがあるように思います。
・備考
ビニールカバー剥がし痕あり、また、一部貼りつき。pp4〜6、汚れあり。pp8・9、pp12・13、黒インクが擦れたような汚れあり。前の遊び紙に焼け焦げの穴があり、p1に焦げあり。後ろの遊び紙に貸出票貼り付け。
2019年9月3日 ページ作成・執筆