北沢雪夫「そしてユキは消えた」(220円)


「資産家の森豪造の運転する車の前に、とび出してきた少女。
 命に別状はなかったものの、少女は記憶を失ってしまう。
 手がかりはハンカチに縫い取りされた「YUKI」という文字のみ。
 森豪造はユキを自分の館で療養させ、ユキの身元を探すが、一月経っても皆目わからない。
 その間、ユキは豪造の息子、研二と親しくなり、研二はユキに恋心を抱く。
 二人は楽しい日々を送るが、奇怪な出来事がそれに影を差す。
 毎夜、ユキが見る、血に染まった薔薇の悪夢。
 夜、ユキの寝室にいつの間にか忍び込んだマムシ。
 湖畔で遊ぶ、ユキと研二を木陰から監視する、黒づくめのサングラスのヒゲ男。
 そして、研二につきまとう洋子の謎の毒殺事件。
 ある日、ユキの唯一の肉親である伯父が森家を訪れ、ユキを車で連れ去る。
 別れを告げる暇もなかった研二は、一週間後、ユキの実家を訪ねる決意をするが…」

 巻末の作者のページには「スリラーってなってるけど少しも恐くないぞ!!ですって(スミマセン)」と書かれております。
 ぶっちゃけ、その通りなのですが、後に「でも、こんなスリラーもたまにはいいでしょう」と続いており、まあ、言われてみれば、そうかもね。
 個人的には、スリラー云々よりも、北沢雪夫先生の清楚な女性キャラが楽しめました。

・備考
 カバー痛み、背表紙上部に破れと、裏に破れと折れ、シミあり。本体が表紙から外れそう。

2016年9月25日 ページ作成・執筆


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