浅丘ルリ「死の鐘を鳴らす妖女」(220円)



「真奈美の母親は継母で、ひどい女であった。
 嵐の夜、真奈美は、継母の命令で、おばの家に、金をもらいに行く破目になる。
 その夜はおばの家に泊まるが、部屋の窓の向こうに、若い娘の姿を見る。
 しかし、真奈美の部屋は二階にあり、ましてや嵐の夜に、外から覗けるはずはない。
 翌日、彼女は庭で、ロミーと名乗る娘と出会う。
 彼女は父親が日本人、母親がドイツ人のハーフで、美しい娘であった。
 彼女は、真奈美のいとこの美代によろしくと言って、その場を立ち去る。
 真奈美がロミーのことを美代に告げると、美代は顔色を変える。
 ロミーはその後も真奈美の前に姿を現し、美代はノイローゼ気味となる。
 ある夜、真奈美は美代の部屋で共に休むことになるが、どこからか鐘の音が聞こえてくる。
 美代によると、その音色はロミーがいつも口ずさんでいたメロディーらしい。
 ロミーの正体とは…?
 彼女は母親を捜しているようなのだが…」

 作品が多い割に、コレ!!といった作品の少ない浅丘ルリ先生ですが、「死の鐘を鳴らす妖女」はまとまりが良く、(浅丘作品の中では)良作の部類に入ると思います。
 とは言うものの、東京漫画出版社所属の濃い作家達(好美のぼる、三田京子、谷ゆきお、望月みさお、しきはるみ、etc…)の前では、やはり、インパクトは薄れてしまいますが…。
 個人的には、「死者が墓場から蘇える」シーンがあって、嬉しかったです。(「吸血ゾンビ」の影響?)
 ただし、この画像だけ見たら怖そうですが、蘇った死者が全く怖くないのが残念…。

・備考
 ビリ―ルカバー貼り付け。糸綴じあり。タイトル・ページに貸本店のスタンプと紙の貼り付け。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕とスタンプあり。

2020年7月27日 ページ作成・執筆


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