望月みさお「化け猫先生」(220円)



「茨城県の石岡で本当にあった話。
 明星中学の、さち子・まり子・とも子・黒江は仲良し四人組。
 ある日の下校途中、まり子は、坂下先生が草むらで涙を流しているのを目にする。
 坂下先生の足元には、猫の死体があり、まり子は先生が猫に同情しているんだと考える。
 まり子は先生に声をかけるが、猫の死体はなく、先生はどこか挙動不審。
 しかも、猫をいじめる男の子達にかなりアツくなるところも目撃して、まり子は不思議に思う。
 翌日の放課後、まり子は、米山先生に話しがあると呼び止められる。
 その話とは、坂下先生のことで、どうも以前とは様子が違うらしく、何か気付いたことがあれば、教えて欲しいと頼まれる。
 その晩、まり子はどうにも気になって、坂下先生の家を訪れるのだが…。
 坂下先生の正体は…?」

 望月みさお先生は「怪猫もの」を多く描かれておりますが(全部、読んではいないけど…)、その中でも、かなりいい線、いっているのではないでしょうか?
 ストーリーはタイトル通り「化け物先生」なので、多くは語れませんが、他に見所満載。
 まず、女子生徒が観たテレビ番組について話していると、唐突に突入するバッド・トリップ描写(pp47〜56)は、メルヘンと薬物乱用をごっちゃにした感じで、出色の出来です。(右下の画像を参照のこと)
 また、ダサダサな男子生徒二人が、ヒロインにモーションをかけようとするシーンの掛け合いは、下手な漫才より遥かに面白いです。(ちなみに、後で、化け猫先生に、バッド・トリップな制裁を加えられております。)
 ラストもかなりシュールで、納得できるような、できないような…。
 あと、個人的に、成人女性のキャラ(特に、米山先生)が、スッキリしていて、かなり好みです。
 女性キャラはやっぱり、鼻の穴と人中を強調しない方がいいと思いますよ、望月先生。

・備考
 ビニールカバー剥がし痕あり、また、カバー痛み。糸綴じあり。前半、シミ痕、ひどし。汚れ、切れといった読み癖多し。後ろの遊び紙に貸出票の貼り付けと書き込みあり。

2020年4月7日 ページ作成・執筆

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