浅丘ルリ「顔をもらった醜女」(220円)
「マリは、その醜い容貌故に、僻みっぽい、ネクラな少女になっていた。
継母は美しい姉ばかりを可愛がり、他の少女達からはバカにされる毎日。
ある夜、彼女の部屋の窓辺に、「美の女神」を名乗る女性が現れる。
彼女は、マリに美しくなりたければ、北風の強くふきあれる日に森の沼地に来るよう言う。
藁にもすがる思いで、マリが森の沼地へ行くと、言葉通り、その女性が待っていた。
美しくなる代わりに、女性は、マリの魂と引き換えにという条件を提示する。
より詳しく言うと、女性はマリの身体の中に入り込み、彼女の魂を自由に操るということであった。
決心したマリに、女性が乗り移り、マリは類まれな美貌を手に入れる。
以来、マリは有頂天になり、高慢ちきな態度で他の少女達を見下すようになる。
だが、彼女の姿が鏡やガラスといったものに映ると、彼女にのり移っている女性も同時に映るようになっていた。
更に、美を維持するために、マリは、美しい娘の血を吸わなければならなくなる。
マリは徐々に追い詰められていき…」
それなりに面白いです。
ただ、ラストがハッピーエンドのわりに、いまいち釈然としません。
ちょっと惜しいです。
・備考
ビリ―ルカバー剥がし痕あり。糸綴じの穴あり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕と、右上に鉛筆での数字の記入(60円…)、サインペンで記名あり。
2020年8月4日 ページ作成・執筆