森由岐子「鬼面」(230円)

「再婚した母と共に、浦辺家にやって来た、六歳の川田世津子。
 しかし、前妻の娘で四歳年上の浦辺なぎさは、わがままで傲慢かつ冷酷な少女で、川田母子を忌み嫌う。
 なぎさが大きくなるまで、籍を入れないという約束のため、長い間、世津子は公私ともになぎさによって召使のように扱われる。
 世津子が高校の時、母が死去。
 母は世津子を浦辺家に入れるよう死ぬまで頼んでいたが、なぎさの讒言(ざんげん)のため、遂に籍に入れてもらえずじまい。
 継父も亡くなり、父親の遺産とその美貌とで、なぎさは芸能界でトップスターの座に就く。
 そして、世津子は、なぎさの付き人としてこきつかわれる日々を送ることとなる。
 それでも、世津子は、これも運命と静かにあきらめ、心の美しさだけは失わないよう亡き母の面影に誓う。
 そんな世津子に、ひそかに惚れたのが、これまたトップスターの藤樹達也であった。
 達也の関心が世津子にしか向かないことに、なぎさは嫉妬の炎を燃やす。
 世津子へのなぎさの憎しみはエスカレートしていき、達也との逢引を邪魔するだけにとどまらず、世津子が主役に抜擢されたチャンスまでも潰す。
 しかし、遂には、全てはなぎさの企みであることに気付いた達也は、芸能界を引退して、世津子と結婚することを決意。
 落ち目になり、更に、世津子に捨てられた、なぎさは人気を取り戻すべく、怪談映画の主役に挑むのだが…」

 森由岐子先生お得意の「因果応報」ド真ん中の作品です。
 粗筋を読めば、一目瞭然ですが、相変わらず、性格が極悪な女性キャラが出てきて、予想通りに天罰を受けてます。
 ここまでストレートだと、読んでて、とても気持ちがいいですね。(古臭いと鼻で笑う御仁もおられるでしょうが。)
 ちなみに、左上の表紙画像が、作中でゴ〜マンかましまくっている浦辺なぎさ嬢であります。
 なかなか艶っぽい女性キャラは今現在でも味わい深いように思うのですが、左の二の腕が、太股みたいに太くなっているところが、ちと気になります。

・備考
 カバー若干痛み。非貸本みたい。

2016年10月25日 ページ作成・執筆

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