浅丘ルリ「半魚人少女」(220円)



「町の少年少女達の間に広がる「まぼろしの船」の噂。
 その小さい船は、太陽がギラギラ輝く晴天時に、海辺に現れると言う。
 船上には、白衣をまとった、美しい少女が、悲しそうな声で歌っているのであった。
 ある日、その噂を聞いた吉田淳子と、彼女の兄、謙吾は、海岸で噂の少女と出会う。
 少女は二人に何か食べさせてくれるよう頼み込み、二人は少女を家に案内する。
 そこで少女はたらふくたいらげるが、日が陰りそうになるのに気づくと、慌てて海の方に駆け出して行く。
 少女のことを心配した謙吾は彼女の後を追うと、海岸で彼の兄が恋人と一緒にいるところに遭遇。
 謙吾は兄をからかうが、ちと調子に乗り過ぎ、怒りを買い、殴られて失神。
 そこに謎の怪物が現れ、襲われた謙吾の兄は意識不明で入院してしまう。
 その夜、謙吾の枕元を白布で全身を覆った人物がやって来て、就寝中の謙吾に兄のことを謝る。
 更に、謙吾に「これからもあたしにやさしくしてくださいね。そして、いつかきっとあたしを愛して下さい。それまで、あたしの本当の姿みないでね」(p73)と訴える。
 人の気配に謙吾が目を覚ますと、部屋の中には濡れた跡が残っていた。
 同じ頃、近所のおばさんが、吉田家から出てくる、人間の大きさをした怪物を目にして、騒動になる。
 謙吾と淳子はこの怪物は「まぼろしの船」の少女と関わりがあるのではないかと考え、もう一度あの少女と会おうとするのだが…」

 心躍るタイトル「半魚人少女」(カバーがないのが、とっても残念)。
 陽の光が遮られると、まんま「アマゾンの半魚人」へと変化する少女です。
 んで、ぶっちゃけ、それだけのマンガであります。
 映画のモンスターの造形を借りているだけでして、基本は、いつもの「浅丘ルリ」節、「さんざん煽っておいて、ラスト近くで怒涛の説明を繰り広げ、取って付けたような結末を迎える」というパターン。
 個人的には、あまり面白味のある内容には思えませんでした。
 でも、「半魚人少女」と聞くと、何故かは知らねど、めっちゃ期待してしまう…そんな罪なマンガであります。(カバーの付いている本、欲しいです…。)

・備考
 カバー欠。糸綴じの穴あり。前後の見開きにガムテープでの補強あり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。

2017年4月14日 ページ作成・執筆


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