浅丘ルリ「壁の中の狂女」(220円)



「伸介は、東京から田舎の実家に、結婚相手の美佐子を連れて帰る。
 だが、彼女は三番目の花嫁で、以前の二人は怪死や狂死を遂げていた。
 伸介の妹の真弓は、これ以上の犠牲者を出さないために、美佐子に冷たく当たり、家から追い出そうとする。
 また、狂死した二番目の妻の妹、ユカは美佐子につきまとい、警告する。
 この家の壁の中に隠れ住む狂女の正体とは…?
 そして、赤い色を見ると、発作を起こす伸介の過去とは…?」

 「壁の中の狂女」というタイトルだけで食指がビンビン動きまくる人が多いと思いますが、残念なことに、明らかにタイトル負けをしております。
 致命的なのは、ストーリー性があまりに稀薄なこと。
 こういうスリラーは、ストーリーが進むごとに謎が解き明かされていって、ラスト、ドーンと見せ場をつくるものでしょうが、最初から「壁の中の狂女」の正体をばらしており、興味半減。
 更に、ストーリーは実質、二日間の出来事を扱っているため、話が急展開過ぎて、ヒロインの花嫁は大してビビらされる間もなく、館は炎に包まれて、ジ・エンド。
 狂女の描写も「ウ〜ン…」って感じで、読んでも、全く印象に残らない作品だと思います。

・備考
 ビリ―ルカバー剥がし痕あり。カバーに若干の痛み。本体下側に水濡れの痕あり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕と数字の書き込みあり。

2018年9月25日 ページ作成・執筆


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