浅丘ルリ「死神の使者」(200円)



「日高良子は間近に結婚式を控えていた。
 京都に旅行に出かけるが、本当は、ある用件のため、長野に滞在する。
 用件の後、彼女は、見知らぬ女が湖に入水自殺するのを目の当たりにする。
 その女は良子に恨みがあるようで、良子は犯人扱いをされることを恐れ、警察に届けなかった。
 結婚式の三日前、下校途中の麻子は、美しい女性から姉への手紙を託される。
 姉が手紙を開けると、中には写真が入っていたが、写真の人物は入水自殺した女性であった。
 そして、麻子に手紙を渡したのは、同じ女性らしい。
 良子は精神的に不安定になり、結婚式が危ぶまれるが、どうにか式を挙げ、ハワイに新婚旅行に行く。
 帰国後、新居の良子に差出人不明の荷物が届く。
 中身はネズミの死骸で、その後に、湖で自殺した女から電話がかかってくる。
 また、日高家には奇妙な少女が姉を訪ねて来るが、姉の不在を聞いて、さっさと帰る。
 麻子が少女を追いかけて、不躾をなじると、少女は姉に対する呪詛を投げつける。
 ある夜、義兄が留守にするというので、麻子は新居に泊まりに来る。
 麻子はさっさと寝てしまうが、良子が寝室に行った時、家の電気が消える。
 すると、暗闇の中から、あの女が現れ、良子は取り乱す。
 しかし、麻子が目を覚ますと、そこには誰もおらず、停電で怖かったと良子はごまかす。
 一週間後、良子の主人は秀子というお手伝いを雇う。
 これで一安心かと思いきや、良子は鏡や絵が血にまみれているのを目にする。
 しかし、血は彼女しか見ておらず、更に、その絵が燃やされていたが、その記憶もなかった。
 彼女は周囲から精神病を疑われるのだが…。
 ある日、良子は意を決して、再び長野を訪れる。
 長野で何が起こったのだろうか…?
 そして、良子の周囲に出没する女性と少女の正体は…?」

 雰囲気を出してはおりますが、ラストで一気に説明するパターンですので、構成に難ありです。
 個人的には、「精神病」を「サイコ」と表現しているところ(上画像の左から四番目を参照のこと)が興味深く思いました。
 恐らく、1960年代前半頃のホラー映画の要素をいろいろと詰め込んでいる感じです。

・備考
 ビリ―ルカバー貼り付け。前後の見返しのノドに紙テープ等で補強あり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。

2022年3月6日 ページ作成・執筆


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