浅丘ルリ「妖怪小人娘」(220円)



「失踪から六年、横内美奈子は故郷に帰ってくる。
 だが、美しかった美奈子の面影はなく、その身体は縮み、小人になっていた。
 ことは、美奈子の父親が、兄と共に交通事故死した時まで遡る。
 当時、美奈子の家族と、兄の家族は同じ屋敷で暮らしていた。
 美奈子の母親は病で床に臥せっており、それを利用して、伯母と従姉のルリ子は、美奈子と妹のエミを虐待する。
 美奈子は、ハワイに住む大金持ちの伯父のお気に入りであり、よくよくはその財産を相続するはずであった。
 伯母とルリ子はそれが気に入らず、美奈子とエミの姉妹を殺害する計画を立てる。
 伯母は食事に毒花、サイモネリアスの汁を混ぜ、それを飲んだ美奈子の顔は爛れ、二目と見られぬようになる。
 その間にも、妹は狂死、母親も突然に不審な死を遂げる。
 母親の幽霊から真相を知らされ、身の危険を感じた美奈子はある夜、屋敷を去る。
 一年後、顔は元通りになったものの、毒花の副作用で、身体の発育が止まり、手足が縮み始める。
 そして、今、伯母親子の居場所を突き止めた美奈子の復讐が始まる…」

 まず、タイトルに問題があります。
 ヒロインは毒のせいで小人になったのであって、「妖怪」ではありません。
 作中でも「ばけもの」扱いしており、眉を顰める人も多いと思います。
 内容は、いつもの「浅丘ルリ節」で、大仰なオープニングの割に、尻すぼみなエンディングというパターンです。
 復讐もあっさりしていて、ねちねち苦しめるのではなく、サクッと殺しちゃってます。
 もうちょっとムードを盛り上げてもいいんじゃない?

・備考
 ビリ―ルカバー貼り付け。糸綴じあり。前後の見開きのノド、紙テープにて補強。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。

2018年11月19日 ページ作成・執筆


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