望月みさお「猿沼の怪」(220円)
「ある寒村。
両親を亡くしたチコは、村の子供達から、格好のいじめの対象。
また、村の大人達も皆、生活に余裕がなく、誰も彼女の面倒を見てくれない。
ある冬の日、チコは山に入り、姿を消す。
五年後、山を降りてきたチコは、猿の親友、バビと一緒であった。
チコとバビは、以前住んでいたあばら家に住み、村の畑の作物を盗んで、暮らす。
ある日、村人に盗みの現場を押さえられ、チコは、猿沼に棲む怪物に食料を運ばないと殺されると作り話をする。
チコは村人を森の奥の猿沼に案内すると、彼は一人で勝手に怯えて、逃げてしまう。
チコの作り話は村人達に広まり、チコは大手を振って、畑を荒らしまくる。
しかし、遂に村人達の堪忍袋の緒が切れ、チコを袋叩きしようとする。
逃げ込んだ森の中で、チコはバビを使って、村人達を脅かすのだが…」
望月みさお先生は様々な動物をテーマとした怪奇マンガを描いておられますが、今回は「猿」です。
目の付け所はいいと思いますが、バビのキャラの立ちが弱く、あまり活躍しておりません。
更に、ストーリーにいろいろと釈然としない所が多いため、あまり出来は良くないと思います。
猿を使って、凶行を行う少女の話にしたら、元祖「モンキー・シャイン」になったのにね。
・備考
ビニールカバー貼り付け。ビニールカバーに引っ付きあり(なかなか取れない…)。糸綴じあり。前の遊び紙、半分欠損。4p・5pの奥が貼り付き。後ろの見開きに貸出票の剥がし痕とボールペンでの書き込み。
2019年11月21日 ページ作成・執筆