望月みさお「ゆうれい自動車の母」(220円)
「箱根のスカイライン。
広美とマリの姉妹はカーブで無理な追い越しをかける。
この際、抜かれた外車はハンドル操作を誤り、崖から転落、運転していた女性は死亡する。
この事故に誰も気づかず、また、自動車専用道路では、母の帰りを待つ千枝子の姿があった。
以降、箱根の自動車専用道路では「幽霊自動車」が出るという噂が立つ。
「幽霊自動車」は運転手がいないのに、もの凄いスピードで走っているという。
その噂を聞いて、広美は箱根に行き、自分達が追い越しをかけたあたりを調べに行く。
あの車が事故を起こしたとすれば崖に落ちたはずだが、どうもはっきりせず、仕方なく引き返す。(何故、ガードレールが破れてないのか不明)
帰り道、広美は道路に立っていた女性を轢いてしまう。(と言うか、明らかに轢き逃げ)
すると、いつの間にか、女性は車の後ろ座席に座っていた。
女性は、娘の千枝子が待っているから、車をとばすよう広美を急かすのだが…。
一方、家にいるマリの方も、女性の幽霊にとり憑かれていた…」
「交通戦争」が社会問題化した頃に描かれた作品でありましょう。
「幽霊自動車」の発想は面白いのですが、母親の幽霊は元凶である姉妹のもとに直接出ているので、あまり意味はないです。
あと、「幽霊が消えた後、座席が濡れている」という「タクシー幽霊」の要素があるのが興味深くありました。
・備考
ビニールカバー貼り付け。表紙に「16円」と思しき紙がテープで貼り付け。本文、シミ多し。pp59・60、上部に折れ跡あり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。
2022年5月6日 ページ作成・執筆