好美のぼる「夜光虫少女」(220円)


「とある漁村。
 海女だった母親を亡くし、小百合は祖父と二人暮らし。
 母親は、祖父が漁場にしている竜神島で、竜神の怒りに触れて殺されたと噂されていた。
 小百合は母親の死体を探したい一心で海女になりたいと願う。
 しかし、幼い小百合にできることは、病身の祖父の看病のみ。
 そんな彼女を、母親の幽霊は陰ながら支え、いつか自分の死体を発見してくれるよう頼み続ける。
 ある日、竜神島付近で、あわびを採っていた海女が四人も行方不明となる事件が起きる。
 同じ頃、小百合の祖父も急死。
 祖父の漁場を狙っていた網元は、借金のかたに、漁場をよこすよう、小百合に迫るが、小百合は断固拒否。
 その代わりに、網元の下に奉公へ出ることとなる。
 網元は小百合に重労働を課すが、ここでも母親の幽霊がサポート。
 労働の合間を見て、夜毎、小百合は海で潜水の訓練を積む。
 訓練を繰り返すうちに、小百合の身体に夜光虫の光が染みわたり、彼女に触れる悪者は身体が腐るようになる。
 そして、遂に、小百合に味方する網元の部下の協力を得て、彼女は母親の死体を探すために、竜神島を訪れる…」

 これも「好美のぼる・印(じるし)」の作品としか言いようがないのですが、農村でなく、漁村を舞台にしているのは珍しいかもしれません。
 あと、この作品は唐沢俊一氏・編「まんがの逆襲」(福武書店/1993年11月10日発行)p185で一部、紹介されており、(他の作品よりは)少し知名度があるようです。(上の右端の画像を参照のこと)
 一応、知識としては知っていましたが、実際、目にすると、やはりあっけにとられます。

・備考
 カバー貼り付け。カバーに痛み。糸綴じあり。袖に紙テープで補強。読み癖あり。前の遊び紙に鉛筆で書き込みあり。後ろの遊び紙に鉛筆の書き込みと貸出票の剥がし痕あり。

2018年1月28日 ページ作成・執筆

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