三田京子「妖女の奏でる夜想曲」(220円)



「母親の死後、四人の召使いと共に屋敷に暮らす少女、百合子。
 召使いの名は、紅夫、夢香、鋭一、珠音。
 百合子は自分達を捨てた父親への復讐の機会を窺っていたが、ある夜、屋敷にある家族(中年の夫婦とその一人息子、正)が訪ねてくる。
 中年の男性は自分は百合子の母親の昔友達であり、母親に彼女の死後のことを頼まれて、やって来たと話す。
 その証拠に、母親の直筆の手紙を持参していた。
 その家族は百合子の屋敷に住み込むこととなるが、以来、奇妙なことが次々と起こる。
 屋敷に潜む影は、死んだはずの母親なのであろうか…?
 そして、百合子が、その家族の秘密を知った時、悲劇が起こる…」

 唐沢俊一氏・監修「まんがの逆襲 脳みそ直撃!怒涛の貸本怪奇少女マンガの世界」(福武書店/1993年11月10日発行)にて、ダイジェクト版を紹介され、三田京子先生の作品の中では、最も知名度の高い作品の一つです。
 ただ、母親の幽霊がいるのかいないのか、そのあたりが曖昧で、若干、消化不良気味な感はあります。
 でも、問答無用なラストは、他の追随を許さぬ迫力で、一見の価値はあり。
 とりあえず、「UA!ライブラリー」にて復刻されており、入手も比較的に容易なので、興味のある方は読まれて、損はないと思います。

・備考
 ビニールカバー剥がし痕あり。カバー痛み、また、色くすみ。糸綴じあり。全体的にヤケ。pp25・26、コマにかかる大きな裂け。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。

2020年7月12日 ページ作成・執筆

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