しきはるみ「鬼の母」(220円)
「坂口母子は、妻を失った中野家に、女中として住み込む。
娘の坂口武子は、その家の息子、史朗に想いを寄せるが、史朗にはすでに内田洋子というガールフレンドがいた。
武子の母は、娘の想いを知り、もしも、娘が史朗と結ばれれば、貧乏暮らしとはおさらばと考える。
母が、史朗の恋人について調べると、彼女の家は「くず屋」で、父親を亡くし、母子家庭。
これなら、娘の武子の方が有利だと、母は、史朗と洋子を別れさせようと案を練る。
その案とは、夜、熊野神社で会う二人を、鬼の面を付けて、別れるよう脅すというものであった…」
新藤兼人監督のウルトラ・ヘビーな名作「鬼婆」に間違いなくインスパイアされた作品だと思います。
でも、漫画の方は、映画ほどの深みは全くありません(トホホ…)。
個人的には、ストーリーよりも、「くず屋」を「残飯あさりみたいなもん」(p59)とまで言い切る、職業差別の方が印象的でありました。
あと、しきはるみ先生の漫画で「継母」が出てこないのが、新鮮でした。
・備考
状態悪し。本体、表紙から外れそう。ビニールカバー貼り付けあり。糸綴じあり。前の遊び紙、下半分、欠損。読み癖あり。pp12・13、コマ内にお菓子か何かが挟まって、シミ。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕と書き込みあり。
2020年6月23日 ページ作成・執筆