浅丘ルリ「不死鳥」(220円)
「雨上がり、三奈は意識を取り戻す。
雨に見舞われ、大きな木の下に避難したところまでは覚えていたが、そこから先が思い出せない。
そばには、落雷によるためか、折れて、焼け焦げた木がある。
倒木を見つめていると、そこに焼け死ぬ自分の姿を幻に見る。
慌てて、家に戻り、部屋に閉じこもると、鏡にも同じ映像が映っていた。
一時、錯乱しかけたものの、どうにか落ち着きを取り戻し、失礼を働いた友人に三奈は謝りに行く。
だが、、その友人の兄は、雨の日、落雷を受けて燃える木に三奈が下敷きになる現場を目撃していた。
彼は三奈を魔女呼ばわりする。
友人宅をとび出した三奈は、自分が一度死んだことは夢ではなく、自分は死者の国から来たのではないか、と苦悶する。
その夜、突如、三奈は獣のような唸り声を上げ、家で寝ている、友人の兄を襲う。
喉笛に噛みつき、瀕死の重傷を負わせた男性のそばで、三奈は血を「生命の泉」と呼んで、酔いしれる。
帰宅後、自分のしたことに戦慄し、三奈は自殺を決意。
入水を図るが、どうしても死ねず、次々と人を襲っては、その血を吸うようになる。
三奈に一体何が起こったというのだろうか…?」
粗筋を読んでもさっぱりワケがわからない通り、ぐだぐだな内容です。
途中から、ヒロインが吸血鬼へと変貌しますが、その理由は最後まではっきりしません。
ちなみに、ネタばれしますと、タイトルの「不死鳥」の由来は、三奈の母親が、三奈を身籠っている時に、イタリアで不死鳥を祀るカルト宗教にはまったため、その娘の三奈が不死になったというもの。(最後の方でちょろっと説明されます。)
結末も納得できるようなできないような…。
正直なところ、出来は芳しくないと思います。
ただ、ヒロインが悲嘆に暮れているシーンで、何故かスポットライトが当たっていて、ちょっぴり感じ入りました。(昔のマンガを読むと、たまに、この手の描写を見かけますよね。)
・備考
ビニールカバー剥がし痕あり。糸綴じあり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕と、スタンプや書き込みあり。小口に鉛筆での書き込みあり。
2016年10月14日 ページ作成・執筆