望月みさお「死骸は生きていた」(220円)



「大雨による土石流で両親と家を失った大場かな江。
 彼女と祖母のときは、亡くなった父親に恩のある西村家に身を寄せる。
 だが、西村氏の妻、あさ子は二人を邪魔者扱いし、娘のらん子も母親にならってかな江をいじめる。
 あさ子は二人を追い出す予定であったが、ときが大金を持っていることを知り、それに目を付ける。
 そんな時、らん子のいたずらで、かな江は頭部に重傷を負い、失明する。
 祖母のときは病気のために寝たきりで、あさ子は二人きりになった時に、ときの殺害を決行。
 彼女は、布団の上からときに乗っかかり、心臓麻痺を起こさせる。
 そして、葬式がとり行われるが、ときは、かな江のことを案ずるあまり、死にきれない…」

 もの凄くインパクトのある表紙が、名作を予感させますが、その期待を裏切ることはありません。
 簡単に言うと、金目当ての殺人の話なのですが、後半における、蘇生しかけた老婆に慌てふためく医者や僧侶の描写、生き返った老婆をムリヤリ棺桶に閉じ込める描写(上右側画像を参照のこと)等、あまりにドタバタしており、いい塩梅に脱力させてくれます。
 んで、ラストはタイトルとジャケット通り、おババは、生きたまま、火葬にされちゃいます。
 けれど、隠坊のあんまり過ぎるキャラに、肝心のハイライトが霞んでしまう…そんなマンガです。
 ちなみに、巻末の次号予告は「火葬場4号室」…またもや、名作の予感…(こればっかり)。

・備考
 ビニールカバー剥がし痕あり。カバー貼り付け、かつ、破れや歪みあり。糸綴じあり。前の見開きに破れ、スタンプ押印あり。後ろの見開きに破れと貸出票の剥がし痕あり。

2018年8月16・22日 ページ作成・執筆


東京漫画出版社・リストに戻る

貸本ページに戻る

メインページに戻る