旭丘光志「午前5時の恐怖」(220円/1968年頃)



 収録作品

・旭丘光志「午前5時の恐怖」(1968年10月頃完成)
「水間薬局の店頭に飾られた、風邪薬の販促用の怪獣の人形。
 そこの娘の千代は、怪獣の人形を心から大切にして、それに傷がついたら、包帯を巻くという熱の入りよう。
 ある台風の夜、脱走した殺人犯人、鷹村が薬局に侵入、一家を皆殺しにする。
 金を手に入れた鷹村は自分の子分に匿ってもらおうとするが、少女の仇を討つため、怪獣の人形が執拗に彼を追ってくる。
 彼は怪獣を退治しようと画策するものの、全く効果がなく、怪獣の人形は巨大化していく。
 逃げ場を失い、鷹村は交番に自首するのだが…」

・及川じゅん「爆発するぜ!」
「新米の殺し屋の青年。
 銃の腕はイマイチだが、彼には隠し玉があった。
 常に胴にダイナマイトを巻き付けており、それで相手を威嚇するのである。
 あるギャング団に雇われ、初仕事もうまく行き、順調と思われたが…」

・畠大助「たったこれだけのはなし」
「地球とは別の星、戦場で相手を殺すことのみが存在意義である兵士。
 彼は殺人に嫌気がさし、ロケットで地球へと逃亡。
 だが、地球も安住の地ではなく、脱走兵である彼を殺すため、様々な殺し屋が彼のもとに送られる…」

 目玉は、旭丘光志先生「午前5時の恐怖」でしょう。
 怪獣の人形の復讐譚ですが、残酷描写が凄まじく、怪獣を扱った怪奇マンガの逸品と言ってよいでしょう。
 また、新人作家だった及川じゅん先生と畠大助先生の作品も味があります。
 畠大助先生「たったこれだけのはなし」は、石森章太郎先生のSFマンガ(「ミュータント・サブ」等)の影響が強いように感じました。(注1)
 残念ながら、石森先生ほど、奥行きのある内容とは言い難いですが…。
 そして、及川じゅん先生の「爆発するぜ!」
 タイトル通りの、皮肉なラストに爆笑です。

・備考
 ビニールカバー剥がし痕あり。糸綴じあり。後ろの遊び紙に貸出票の貼り付けあり。

2018年5月7日 ページ作成・執筆

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