山上たつひこ「そこに奴が…」(240円)
収録作品
・「そこに奴が… JACK THE RIPPER」
「2156年、(多分)日本の関西地区で、若い娘が、喉を切られ、脇を抉られるという連続殺人事件が起きる。
一月で四人も被害者を出しながらも、犯人の出没する地点があまりに支離滅裂で、捜査は難航。
そんな時、警察署や新聞社に犯人からと思われる手紙が届く。
差出人は「ジャック・ザ・リパー」とあり、若い刑事のタニは、1888年の「切り裂きジャック」事件との類似に気付く。
268年の時を超えて、切り裂きジャックが蘇えったのであろうか…?
タニは「霧の中の殺人鬼」という、古い芝居に謎を解く鍵を見出すのだが…」
・「ミステリ千夜一夜」(1968年4月25日完成)
「一人の男が、スパカマ星にあるスズキTNT鉱石開発会社の工場を訪れる。
彼は会社から派遣された調査官で、工場の生産が落ちていることを調べることが目的であった。
工場の作業員は三人で、皆、調査官に対して隠し事をしている様子。
調査官は発掘現場を見て回る際、この星の原住民(といっても、猿より少し知能が高い程度)の部落に寄る。
そこで、彼は、工場の生産が落ちている、本当の理由を知るのだが…」
・「地上」(1967年6月頃)
「ロボット監視による地下刑務所。
三人の囚人は、十年かけて、脱獄計画を練り、準備を整え、遂に決行。
ロボットの追跡を振り切り、エレベーターで地上に出た彼らが目にしたものとは…?」
・「しょうじょうじ」
「父親を狸に殺されたと思い込んでいる、精神薄弱の青年、仁作。
彼は毎日、狸狩りに出かけるも、ちっとも捕まえられない。
ある雨の夜、彼は、狸を見かけるが、狸が逃げた先には、村長の娘がいた…」
・「幽線放送」(?年10月12日)
「深夜二時、あるイラストレーターの男が、ラジオの深夜放送を聴く。
だが、流れてくるのは、1950年代のオールディーズばかり。
電話でビートルズの曲をリクエストするが、担当者は、この番組は「最新のヒット曲ばかりを集めたもの」で、ビートルズなど知らないと答える。
不審に思った男は番組について調べるが、番組表には記載はない。
翌日、彼は、友人のディスクジョッキーにこのラジオ番組について尋ねるのだが…」
・「変身」
「「変身器」を発明した青年、アキオ。
この器械は「人間でも動物でも思いのまま形を変えることのできる」ものであった。
小動物での実験は成功し、野外で、更なる実験を試みる。
その時、恋人のマリが犬に襲われる。
咄嗟の判断で、アキオはマリを「変身」させるのだが…」
・「第七病棟異状なし」(1968年1月13日)
「男女三人のジャーナリストが、精神科医によって、精神病棟を案内される。
特に凶暴性の高い患者が収容されている棟を過ぎた後、彼らは部屋で休むよう言われるが…」
・「すてきなおかえし」
「世界の人口が急激に増加したため、人類は「糞」害に悩まされるようになる。
浄化処理は追いつかず、「糞」による汚染は深刻の度合いを増すばかり。
そんな時、ケリウムN3惑星から異星人が地球を訪れる。
異星人は、地球人の排泄物は彼らの食物として最も適したもので、どんどん輸入したいと申し入れる。
これで「排便問題」が全て解決と喜んだのも束の間…」
「しょうじょうじ」のラスト、何回読んでも、意味がわかりません。
誰か教えてください。
・備考
カバーの痛み・大(よれよれ)。糸綴じあり。前後の見返しに補強あり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。
2019年9月12日 ページ作成・執筆