いばら美喜「くノ一忍び」(240円/1968年2月15日発行)

 収録作品

・「くノ一忍び」
「戦国時代。
 下忍の源蔵とカスミは許嫁の仲。
 源蔵は忍者であることを受け入れ、いつか大成することを夢見るが、カスミは忍者がイヤでイヤで仕方がない。
 二人は、土居主膳(注1)の依頼により、土居の主君である宗康の首を取る。
 その報告のため、二人が、主膳の住む一の砦を訪れた際、主膳はカスミに息子の嫁にならないかと持ち掛ける。
 主膳の息子はカスミに一目惚れしたとのことで、主膳は、一人息子の望み故、どうしても叶えてやりたい。
 源蔵は躍起になって主膳を止めようとするが、いつの間にか、周囲は火縄銃で取り囲まれていた。
 主膳に去るよう命じられた源蔵は一旦、砦を去るも、カスミの奪還を決意。
 後日、源蔵はカスミを取り戻すために、砦に向かう。
 すると、砦から逃げてきたカスミと再会する。
 共に砦から逃げる途中、追手をまくために、二人は誰も近寄らない死谷へ向かう。
 死谷には一度踏み込んだら最後、決して脱け出ることのできない泥沼があった。
 そこには主膳の家来が待ち伏せており、源蔵は彼らをやっつけるが、泥沼にはまってしまう。
 源蔵はカスミに助けを求めるが、彼女は彼を嘲り笑うばかり。
 そう、これはカスミの仕組んだ罠であった。
 源蔵が沼に沈んだ後、カスミは砦に戻り、主人の息子と対面するのだが…」
 貸本の再録です。

・「散りぬ」
「田丸城。
 城主、大膳の側近、京弥は、大膳暗殺のため、三年前に城に送り込まれた甲賀忍者であった。
 しかし、京弥は大膳に親近感を覚え、どうしても殺す気になれない。
 更に、大膳の娘、清姫との結婚の話が出て、彼は使命と恋の両挟みとなる。
 そんな彼を偵察していた忍者、モグリは、清姫を殺害し、仕事の遂行を促す。
 京弥はモグリを殺し、城を後にするが、彼の前に、頭領が立ちはだかる。
 京弥の秘策とは…?」
 「忍法夜話」(だったかな?)に掲載された短編だったと思いますが、未確認。申し訳ない…。

・注1
 p31では「有賀主膳」となっております。作者の勘違い?

・備考
 カバー貼り付け。糸綴じあり。読み癖が非常にひどく、シミ・汚れの嵐、特にpp82・83がひどい。p17、p86、落書き(女の裸…気持ちはよくわかる)。後ろの遊び紙に紙の貼り付けあり。

2019年11月8日 ページ作成・執筆

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