「怪談別冊 時代特集C」(150円)
収録作品
・小島剛夕「北芒(ほくぼう)」
「慶長十二年(1607年/注1)、幕命により奥州松前藩は蝦夷(えぞ)を侵攻する。
蝦夷に流れ着いた侍、佐四郎はアイヌより戦いへの協力を求められるが、頑なに拒否する。
佐四郎は、関が原の戦いの時に、友に裏切られ、大切な姫を失った。
それでもなお、彼の血は戦いを求めて、それに耐えかね、最果ての地まで逃れてきたのだった。
戦いをあくまでも避けようとする佐太郎だが、、幕府軍の大将が彼を裏切った男であることを知り、アイヌに与する。
ある日、敵の大将より、奥方が佐四郎に会いたい旨、申し入れてくるが、その奥方は彼と愛し合っていた姫であった…」
・久滋あきら「忍法無惨」
「伊勢と大和の境あたり、千丈ケ岳(ソノママ)の麓にある、藤堂和泉守高虎の居城。
徳川から放たれた、根来同心という忍者達は、城を守る服部半蔵によって、ことごとく返り討ちになっていた。
遂に、根来同心の頭領「影」が服部半蔵に挑むことになる。
戦いに負け、地下の鍾乳洞のような牢に閉じ込められる影は、陰の術を用いる。
すると、彼の影が彼を離れ、服部半蔵のもとに向かう。
服部半蔵と「影」との決着は…?」
・鹿野はるお「秘剣濡羽鴉」
「館野小次郎は温和な性格だが、並外れた剣の達人であった。
達人である故、次々に勝負を挑まれ、相手を斬り、それがもとでまた勝負を挑まれるという悪循環になっていた。
そういう生活に疲れ、労咳を病んだ小次郎はある日、傷ついた鴉を助ける。
その後、うたた寝していると、みどりと名乗る黒い着物の女性が現われ、小次郎を彼女の屋敷に案内する。
そこで歓待を受けるが、気がつくと、逗留先の布団の中だった。
夢だったのかと訝る小次郎だが、彼は度々彼女に会うこととなる…」
・清水良「蛇神様」
「ある城の若様が、蛇神のほこらを馬で蹴壊してしまってから、一帯を日照りが襲う。
そこに通りかかった坊主はこれは蛇神の祟りだと言い、ほこらを再建し、祈りを捧げると、恵の雨が降る。
坊主は領民の信望を集めるが、これが城の侍達には面白くない。
坊主を討とうとするが、彼等の上に蛇神の祟りが降りかかる…」
・注1
マンガでは「慶長元年」となってますが、七年前に関が原の戦いがあったとなっておりますので、「慶長十二年」としました。
が、日本史がさっぱりダメですので、間違いがあるかもしれません。
・備考
状態悪し。カバー痛み。小口の下に名前の記入あり。前の見返しの部分に割れあり。pp13・14・25・26の上部、pp15〜24・28〜30の下部(小島作品)に裂けあり。
平成27年1月1日 ページ作成・執筆